第六章

茨:推理……って、もう分かったんですか!?だってまだ30分くらいしか経ってないのに……。

白雲:新聞配達の傍らで、探偵も兼業してたことがあってね。だから、事件モノは得意なんだよ。

茨:へぇ、すごいですね!

白雲:そうでもないよ。本題に入ろう。

俺はコホンと一つ咳をして、自らの推理を語る。

白雲:これは、一家心中で間違いないね。

茨:なぜ、そう思うのです?

白雲:犯人の手順を紹介しよう。まずは、妹さんの首を絞めて殺す。次に、母親の体を包丁で滅多刺しにする。最後に、自分の首を包丁で掻っ切って完成だ。莇さんを殺さなかったのは、罪をなすりつけるためか、あるいはそこまで気が回らなかったか。それ以上の理由があるのかもしれないけどね。

茨:確かに、それだと納得がいきますね。……怖いくらいに。まるで貴方が、犯人であるかのように。

白雲:この推理だと犯人は最後に死んでる。つまりは犯人は父親だ。あくまで実行犯の話だけどね。

茨:………。この手のゲームって、大抵ドアにあるパネルに答え入れたら完成なんですよね。

そう言って、玄関へと向かっていく。そんな彼女を追いかけて俺も玄関へと向かった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る