第四章

白雲:そういえば、なんだけど。この首輪、何か分かる?

茨:ちょうど同じようなこと思ってました。このレバー、何か分かります?

数刻の沈黙の後。

茨:少しずつ、レバー引いてみますね。

白雲:あ、あぁ。

レバーが上から下に弧を描いて下がっていく。それと同時に俺の首が絞まっていくのがわかる。

白雲:あ、莇さん。そ、のく、らいに、して…。

茨:あ、あぁ…すみません。これ、憲史さんの首輪と連動してたんですね。レバーを下げると首が絞まるっていう。

白雲:警察の「命綱」って話、そういうことだったのか。俺が犯人だって確定したら、レバーでいつでも殺せるように。

茨:怖いこと考えますよね、警察の方も。

白雲:ねー……人のことなんだと思ってんだか。

茨:警察から見れば、事件の犯人じゃないですか?

白雲:今のところ、そうだね。汚名返上しないと。

茨:そのためにはまずはここを出ることですね。

白雲:それに必要なのは……。

茨:推理!ってことで、探索しますか。家と違うところがあるかもしれないし。

白雲:了解。じゃぁ、俺はまず、リビングを調べてみるよ。

茨:分かりました。私は、自分の部屋、調べてみます。

白雲:分かった。何かあったら、危険だけどレバーを引いて教えること。いいね?

茨:わ、分かりました。

白雲:それじゃぁ、またね。莇さん。

俺はリビングへと消えて行った。

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