第三章

白雲:歩き疲れましたよ。後どれくらいですか?

警官:あと少し……。ちょうど今、着きました。目隠し、外しますね。

視界が晴れる。と、そこはとある家の目の前だった。

白雲:えっと、ここが会場って認識で合ってます?

少女:合ってると思います。ここ、私の家にそっくりですから。

白雲:それは………何というか……。

そりゃ分かるわな、自分の家だもんな。

白雲:あれ、そういえば警察の方々は?

少女:いない……っていうことは……。

白雲:ゲームスタート、ですね。まず、自己紹介しましょうか。俺は白雲憲史。新聞配達やってました。君は?

茨:茨莇。女子高に通う高校生です。あの日、玄関が開く音がして…。私、2階の自分の部屋にいたので、1階に降りたら……その後は知ってる通りです。

白雲:血で濡れたナイフを持った俺が、茨さんの方向いてたから、怖くて叫んじゃった、って感じか。

茨:そもそも…犯人じゃないなら、なんで血塗れのナイフ持ってたんです?

白雲:あぁ、それね。死体の一つ…あれは多分お父さんかな?…が持ってたんだよね、ナイフ。

茨:お父さんが……そうですか。

少し俯いたが、前を向いた。…強いな、この子は。

白雲:さて、行きますか…。茨さん。

茨:莇、でいいですよ。私、貴方のこと、犯人ではないと思っているので。

白雲:そ、そっか。なら、俺も憲史でいいよ。

茨:は、はい。よろしくお願いします、憲史さん。

白雲:う、うん。よろしく。

2人は家の中へと入って行った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る