第2話
「おい、起きる時間だぞ!」
ランドは、そんなリンドの大きな声で目を覚ました。
「わかった。今何時?」
「6時だ。飯を食べに行くぞ」
彼らは部屋を出て、食堂に向かった。
食堂には昨夜とは違い、たくさんの人がテーブルに着いていた。そのせいで、彼らの定位置には人が座っていた。彼らは諦めて空いている席についた。
「おはようございます!今日はAかB、どちらのメニューにしますか?」
「おはようミーナ。ごめんね、メニュー表見てなくて、説明して欲しいんだけど…」
「わかりました!Aセットはピザトーストセット、Bセットは納豆ご飯セットになります」
「じゃあ、僕はAで」
「俺はBにしようかな」
「AとBどちらも一つずつですね。了解です」
そのまましばらく待っていると、料理が運ばれてきた。彼らはしばらく黙って食べていたが、大部分を食べ終わった時、ランドか話し始めた。
「今日は何層まで潜るつもりなんだっけ?」
「2層だな。ちょうどいいし、今のうちにテストでもしとくか。ランド、ウェスタ大迷宮第2層までの道中で最も危険なものを3つ答えてくれ。」
「転移トラップ、モンスターハウス、機構変動の3つだよね」
「そうだ。ちなみに対策方法は?」
「転移は魔法陣発動中に範囲外に出る。モンスターハウスは対応できないうちはどの部屋にも入らない。機構変動は味方と手を繋いでおけば同じ場所に飛ばされて、比較的安全」
「正解だ。ちなみに機構変動はもうそろそろ起こると言われているが、どうせ眉唾だ。気にするな」
「ん、わかった」
そんな会話をしているうちに2人はご飯を食べ終わり、部屋に戻って迷宮に潜る準備を始めた。
「剣は持ったか?」
「見えてるでしょ」
「それもそうだな…食料と水は全部カバンに入れたか?ライセンスはあるか?替えの服、剣、靴は持ってるよな?」
「全部あるよ!」
「なら大丈夫だ。マーラさんに挨拶をして、ギルドに向かおう。」
「わかった」
彼らは部屋を出て、階段を降りて、入り口へと向かった。受付ではマーラが帳簿を見て唸っていたが、マーラはランド達に気付いて、帳簿から目を上げた。
「今から迷宮ですか?気をつけてください。最近は物騒な噂も聞きますから。」
「ありがとうございます。気をつけていきますね。ところで、物騒な噂とは?」
「お前、知らないのか?最近界隈では有名だぞ。ちゃんと調べとけって何回も言ってただろう」
「
「
「実は最近、仲間が他の冒険者に殺られたってやつが後を絶たないらしくてな。そんで、その事件に共通する特徴が死体がないことらしい。だから、死体を喰ってんじゃねぇかってことで
「へぇ、じゃあ気をつけないといけないね」
「ですが、
「そうですか、少し安心しました」
「そんじゃ、そろそろ行ってくるんで」
「あ、はい。お帰りをお待ちしております」
ランド達はマーラさんに手を振りつつ外に出て、冒険者ギルドへと向かった。その間、ランドは初ダンジョンが今日だと知っている人たちから声をかけられた。
「ダンジョン頑張れよ〜」
彼は街中では10歳に冒険者登録をして、先日遂に、街の記録では過去最年少でCランク冒険者になったとして有名なのだ。その原因の最たるものには、元Aランク冒険者であるリンドの助力があるのだが、それでも一番と言うのは凄いことだろう。
冒険者ギルドに着くと、彼らは真っ先に依頼が貼ってある掲示板へと向かい、ダンジョン2層目で出来る依頼を探した。
「あった!これなんかどう?『迷宮ゴブリン10体の討伐』だって!」
「そうか、こっちにもあったぞ!『迷宮うさぎ20体の討伐』これもいいかもな」
「これは悩ましいね……どっちの方が報酬が高いのかな?こっちは2000ロイ!」
「こっちは5000ロイだ」
「じゃあそっちにしよう!」
「わかった」
そうしてリンドは『迷宮うさぎ20体の討伐』の依頼を手に取り、受付まで持っていった。
ランドは『迷宮ゴブリン10体の討伐』の依頼を掲示板にそっと戻してからランドの後を追って受付まで向かった。
「この『迷宮うさぎ20体の討伐』の依頼を受注します」
「承知いたしました。それではギルドカードを提示してもらってもよろしいでしょうか」
「「これでいいですか?」」
「はい。確認いたしました。ランド様がCランク、リンド様もCランクですね。そうなると、Cランクパーティとなりますので、こちらの依頼は受注可能となります。説明は必要でしょうか?」
「お願いします」
「こちらの依頼は証拠部位である左耳が必要です。もし忘れてもこちらはなんの保証も致しませんので気をつけてください。また、もし迷宮うさぎの死体を持ってきてくださりますと、追加報酬を付けさせていただきます。説明は以上です。他に何か質問はございますか?」
「他には特にありません」
「では、お気をつけていってらっしゃませ」
ランド達は受付を立ち去り、ギルドの出入り口へと向かった。すると、ベンチに座っていた中年のおっさんが、リンドに絡んできた。
「お前もうCランクかよ、早えなぁ。お前が5年前ここにきた時はGランクだったってのに」
そう、おっさんが言う通り、ギルドランクは、GからSランクまでがあり、大体、一つ上がるのに、2年が目安とされている。しかし、例外はある上に、上に上がれば上がるほどランクを上げるのは難しくなるため、この目安は当てにならない。ただ一つ言えるとすれば、ランドの昇格ペースは相当早いと言うことだ。
「フランツ、今からダンジョンなんだ。悪いが話は後にしてくれないか?」
「わかったよ…。ったく、リンドもなんで冒険者に戻って来たんだか…」
「え、お父さんが冒険者を辞めたのに何か理由があるんですか?教えてください!」
「ほら、行くぞ!」
リンドは問いかけたランドの襟首を引っ張り、冒険者ギルドの外へと連れていった。
冒険者ギルドの外へと出た後、ランドは抗議するようにこう言った。
「なんで引っ張るのさ、それになんでお父さんは辞めたのか教えてよ。特に理由はないんじゃなかったの?」
「うるせえ。行くぞ」
リンドはなお、ランドを引っ張り続ける。
「教えてよ!」
彼はランドから手を離し、それ以降ランドと話すことなく、いつもより早歩きで迷宮に向かった。
そうして、ようやく着いた街の中にある迷宮は、大きく口を開け、2人の新たなる挑戦者を待っていた。
少年は復讐を目指し、今日も生きる。 ペンギンの刑 @tonopi0226s
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。少年は復讐を目指し、今日も生きる。の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
近況ノート
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます