変わらない風景、変わった自分

古 散太

変わらない風景、変わった自分

変わることのない風景の中で

いつもと同じ自分が生きてる

いつもと同じ家や店がならび

いつもと同じ道順で歩いてく

それがどうだとかは思わない

決められたことをそのように

それが人生であり日常なのだ


それでも季節などが変われば

目に映る風景も変わっていく

でもそれは許容範囲みたいに

いつもと同じにしか見えない

いつの間に視界がぼやけたか

いつの間に感じなくなったか

変わることのない風景の中で


ぼくは変わってしまったのだ

キラキラした目は過去の話で

何もかもが枯れたセピア色だ

夢や希望は心の隅に片付けた

そうするしか生きていけない

そう教えられそう信じたから

今では心も半分以上閉じてる


ぼくの人生は明日終わるかも

そんなことが脳裏に浮かぶと

何かの衝動がぼくを揺さぶり

耐えられなくなって走りだす

もっと自由なはずだったのに

もっと面白かったはずなのに

思ってた人生と違うのは何故


どこかへ向かうわけではない

でも心はすでに走りはじめた

幸せで楽しくてもっと自由で

嬉しくて面白くて満たされて

気兼ねなく思いのままに生き

満足した人生を振りかえって

笑い皺を残してこの世を去る


幼いころに思い描いた人生は

きっと夢のようなものだろう

何もかもが叶わないとしても

せめて美しい人生でありたい

せめて満たされて終わりたい

誰が何を言っていたとしても

人生が輝くほうへぼくは行く

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変わらない風景、変わった自分 古 散太 @santafull

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