12、お見合いの日に

「これで終わりっと……」

 整然としたテーブルを見つめて僕は呟く。


 木製の四角いテーブルの上には二枚の純白なランチョンマットが敷かれ、その左右にはフォークとナイフ、上側にはデザート用のフォークとスプーンがそれぞれ並べられている。

 そして、ランチョンマットの中央には、王冠型に折られたワインレッドのナプキンが凛として佇んでいた。


 今日はいよいよお嬢様が初めてお見合いをなさる日。

 それを祝福するかのように、窓辺から見える太陽は輝き、中庭の植物たちは風と舞っていた。


 この日のために、僕たち屋敷の者は一丸となって準備を進めてきたのだ。お嬢様にはこのお見合いに成功してもらわなければならない。

 そしてその先――ご結婚まで辿り着いていただければ、僕らとしても満足この上ないことだ。


 なにせ僕たち従者にとって、お嬢様の幸せが一番であり、お嬢様の幸せこそが僕らの幸せなのだから。


 そうしたら僕のこの思いにも、諦めがつくといいな――。

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