3、変わり種
北風が冷たいある夜。
俺が散歩をしていると、目の前に自動販売機が現れた。
――こんな所にあったか?
疑問に思うも、喉が渇いていた俺はそのまま近づいた。
そうしてラインナップを見ていたその時、ふと見慣れない名前が目に入った。
「たぬきそばのお
今の時期にぴったりな変わり種。
そこに興味が湧いた俺は、それを買ってみることにした。
缶の蓋を開けて一口啜る。
すると、温かくて優しい味が口いっぱいに広がった。
「意外と美味いな」
その美味さに、俺はもう一口啜ろうとした。――その時。
「こんばんわ」
後ろから女性に話しかけられた。
丸顔で垂れ目な顔立ちに、俺は柔和な印象を受けた。
だが、女性は俺の手元を見るや、優しげな表情を一変。
苦々しい表情を浮かべると。
「貴方、趣味悪いですね」
「え?」
罵倒を残して去って行った。
突然のことに、俺は呆然と彼女の背を見つめる。
彼女の
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