第八章 最後の記録3
佐藤と中川は最後の声を録ろうと、互いにマイクを向けた。
「もしこれを見ている人がいるなら……
俺たちは、この自販機に囚われた。
決して近づくな……」
しかし、その声も徐々に消え、空間に吸い込まれるように薄れていった。
カメラのレンズに映るのは、筐体のガラスに映る二人の姿だけ。
次の瞬間、光が強くなり、取り出し口から一本の缶が落ちた。
それは、誰も知らない新しい飲み物。ラベルにはこう刻まれていた。
「ようこそ――」
そして、映像は途切れた。
取材班の最後の記録は、ここで終わっている。
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