第七章 記憶を詰める機械1

翌日、取材班は自販機の内部構造を確認するため、細心の注意を払いながら周囲を調べた。

だが、筐体を開けようとするどころか、背後から冷気が押し寄せ、体を震わせる。


「……開けられない。鍵もないし、パネルもびくともしない」

佐藤は手を押し付けながら言った。


木村が周囲を見回す。

「何か、機械が生きているみたい……」


中川が小声で呟く。

「人の記憶を……吸い取ってる……?」


その瞬間、缶が自動で取り出し口に向かい、静かに転がり落ちた。

光が弱く滲んで、缶の表面に映ったのは――自分たちの幼い頃の姿だった。

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