第六章 再びの張り込み1

藤田の失踪から一週間後。

佐藤は取材班に告げた。


「もう一度、夜通し張り込む。今回は絶対に、この自販機の“正体”を突き止める」


木村は少し身を引きつつも、頷いた。

「……でも、前回のことを考えると、怖いです」


中川は震えながらもカメラ機材を準備する。

「俺……また、巻き込まれるんですかね……」


夜は前回よりも静まり返っていた。

住宅街の路地は暗く、風はないのに冷気が肌にまとわりつく。

取材班は車の中に潜み、カメラとマイクを設置した。

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