第三章:伝説の語り部
恐怖のメッセージは、俊介だけでなく阿偉にも届くようになった。二人は、この現象が単なる悪戯ではないことを悟り、藁にもすがる思いで、ネットの怪談掲示板を再び見始めた。
「人面魚」と「赤い服の女の子」が同時に現れるという、古い投稿を見つけた俊介は、そこに書き込まれた一つのコメントに目が留まった。
「両方の呪いを知る者は、万華(マンファ)区の龍山寺(ロンシャンスー)近くにいる。彼女は魚市場の隣で花を売っている老女だ」
二人は龍山寺へと向かった。
細い路地を抜け、古い市場の喧騒の中、彼らは花を売る一人の老女を見つけた。彼女の顔には深い皺が刻まれ、その目はすべてを知っているかのようだった。
俊介が意を決して「人面魚と赤い服の女の子について……」と切り出すと、老女はゆっくりと顔を上げた。
「お前さんたちも、呼ばれたのかい」
老女は、二つの都市伝説が、実は一つの呪いから生まれたものだと語り始めた。
数十年前、この地に住んでいた漁師が、呪われた鯉を捕らえた。その鯉は人間の顔を持ち、「我が子を返せ」と叫んだ。怒った漁師は鯉を殺してしまったが、その魂は呪いとなり、漁師の村を襲った。村の子供たちは次々と姿を消し、その中には、いつも赤い服を着ていた漁師の娘も含まれていた。
「人面魚は、失われた子供を探してさまよう怨霊。そして、赤い服の女の子は、その怨霊に最初に連れ去られた娘の魂だ。彼女は、新しい『家族』を探しているのさ」
老女は、呪いが特定の血筋に受け継がれると付け加えた。それは、最初に鯉を殺した漁師の末裔に。
「その鯉を釣ったのは、お前の爺さんだ」と老女は言い放った。俊介は言葉を失った。彼の祖父は、彼が生まれる前に、台湾の森で釣りをしている時に行方不明になったと聞かされていた。
「呪いは、お前さんの血を求めている。それを終わらせるには、呪いの始まりの場所へ行くしかない」
老女は、地図の切れ端を手渡した。そこには、俊介が夢で見た森の池の場所が示されていた。
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