第7話 再開と戦いの証明

ドラゴンは漆黒のドラゴンを食べていた。とてつもない強者だったが、このドラゴンは見事に相手の弱点を狙い、倒してみせたのだ。ご馳走のはずだが、村についてから家畜やらパンやらたくさん食べていたのであんまり美味しい方ではなかったから、そのままにしてしまった・・・・

弱ったドラゴンは今日一日中は休眠し、明日出かけるようにした。いい寝床がないかなぁ、と探していると、家があることを思い当たりそこに転がり込んで寝た。翌朝、ドラゴンは羽を広げ、上昇気流に飛び乗り、出立した。ドラゴンの回復力はすごいぞと言わんばかりにきれいに傷は塞がっていた。雲に気をつけながら、北へと向かう。

山々は青々としていて、風がそよそよとしているようだ。空では鳥が飛び、鷹が獲物を求めて回旋している。鹿がご飯を食べてスズメもご飯を取りに森を行ったり来たりしているのが見える。どれも美味しそうだなぁなどと呑気に考えながら、ドラゴンはゆっくりと空を遊泳していく。

巨大な岩の如き丘が集まり、連なった山脈が雄大に聳えている。荒削りの岩や、むぞうさに並ぶ丘はそこらの山を砂山のような形と言いたくなるほど、非機械的に造形されているようだ。正面に見える巨大な一枚岩の上に翼を閉じ、翼の骨を丸めて体を包み込む者がいる。

「ママ!」

「ムートン!」

「俺さ、ドラゴン倒したんだぜ。」

「怪我しなくてよかったぁぁ。びっくりしたのよ、突然消えるんだから」

「、、、」

ドラゴンは影に飛び隠れた。母ドラゴンも追わずに、岩の上で今度は安心して待っていた。

(あの傷は本当ね、何よりの証拠だわ。強くなったのね、私も勝てない相手に勝つほど、、)

母は息子の成長をぐっと噛み締めた。

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