第6話 魔ドラゴン、ドドランゴン
グォォと村が火を上げている。ドラゴンは家を壊しては、漬物や家畜、干物を食べていた。バリバリ、ガジガジ、むしゃむしゃ久しぶりにたらふく食べるご飯は格別。夢中になって食べては日を吹いていると、ふいと冷たい風が通っていった。空を見上げると、大きな積乱雲が正六面体のような形をなして浮かんでいる。しかし、ドラゴンは興味がなさそうに壺の割れ目から漬物を食べるのを再開した。なにせ、生まれたてなのだ。特別目新しいというわけではないし、食欲のほうが強いのも当然というもの。しかし、雨雲の主からしたらそうではない。ピカッと雲の中心部が光ったと思うと大きな音を立て、急に下降気流が立ち込めた。雲はどんどん村に落下し、包みこんでしまった。
★
ガッァ!突然と視界は先数メートルにまで落ち、雷の鳴らす音が耳を傷つけ出した。
ドン、ドン、ドン、音はだんだんと近づいてくる。ゴロロ、ガシャン!とアリえないくらい良くなる雷はヤツの姿をカメラのフラッシュみたいに照らしながら、明らかにした。鱗は何者も反射せず、雨のみがヤツの体の質感を伝える手がかりだ。牙は鋭く、並のドラゴンの二周り程は軽く上回る。尻尾も巨大ながら、体から湧き出る蒸気は雷さえなければその全貌を隠すほどだった。キュアアアアアアと独特な甲高い声が響く。黄金のドラゴンはその漆黒のドラゴンにおそれを知らず、立ち向かう。
漆黒のドラゴンが大きく口を開け蒸気が竜巻が横に倒れたみたいに口を中心に集まっていく。ビリビリと静電気により雷が生まれ、竜巻の如き風ごと放たれた。
ブワァァーと深い霧が巻き込まれながら、壁のように金に輝くドラゴンごと飲み込もうとする。金の鱗はなんと本物の金と似た声質を持ち、電気を通してしまう。やばい。そうひしひしと感る。ドラゴンは右に駆け出した。強力な引力で足を取られそうになる。あと少しのところで両足に力を込め、滑り込むように脇に飛んだ。ビリィ。雷は反応することなく、通り過ぎていく。グアぁぁ、と黄金のブレスが口に集まる。反撃を試みるつもりだ。しかし、漆黒のドラゴンはゆっくりと後退りして、キリト見分けがつかなくなった。?、ドラゴンは予想外の行動が理解できなかったが、一泡吹かせるため、ブレスを口に溜めたままゆっくりと周りを伺う。・・・ガバッと鋭い牙の並んだ牙と黒い鱗が目に写る。首を狙った攻撃が首元を襲う。ビリビリと急激な温度の上昇と、蒸気の噴出で雷が起こり前進を痺れさせた。ガガが、金の鱗は電気を阻まず、体中に遠慮のない電流が走り、ドラゴンは叫んでいた。グアアアア、、、、、。
咄嗟に尻尾を横に振ると、黒の鱗の隙間を通り、突き刺さった。クォォッオオオ!と痺れた隙に、絞った炎を口の横から吹き出し、浴びせた。ボウッと襲いかかる炎をたまらず回避する。口が首元から離れた、その隙に足元へと駆け寄る。漆黒のドラゴンは皮肉にも自身の霧で相手の姿を隠してしまい、奴が消えたように見えた。霧の中を進む。足元がうっすらと見えたときにドラゴンは全力で跳躍、突進し歯を突き立てた。小柄な子供とはいえドラゴンの全力の突進を足元にされれば、よろける。漆黒のドラゴンは体制を崩し、片側を着いて、再び立ち上がろうとつま先を立てる。がブッとつま先に痛みが走る。噛まれたのだ、と気付きためを持って、横に転がり、起き上がろうとする。起き上がるのにあと3分の1回転というところでやつはつま先を話し、我の首を狙った。全身から蒸気を吹き出す。我の首はそう頑丈ではない。が、やつの体は重く、倒れ込むような前傾で首に牙を立てる。ガリッ、ガブッがぁぁと悲鳴を上げる。全力の力で立ち上がるなり、振り払うなりするために暴れる。だが、やつの攻撃は正確に我の大動脈を傷つけ、我の意識は朦朧と薄れていった。
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