影が守るその心は、光よりも強く

貴族令嬢セレスティアは、ある日突然、すべてを奪われた。
王太子の婚約者として誰よりもふさわしいはずだった彼女が、
無実の罪で糾弾され、婚約を破棄され、さらには命を狙われる。

孤独と絶望の淵で、彼女を救ったのは一人の男。
その男は、名もなき「影」。
常に人知れず彼女を護ってきた、王家直属の密偵。
正義か、忠誠か、恋か――その心に宿した想いは、
任務を越えて、ひとりの少女のために動き出す。

追放、陰謀、王族の腐敗、そして秘めた恋情。
すべてを飲み込み、ふたりだけの逃避行が始まる。
華やかな王宮の裏に潜む深い闇と、
誰にも言えなかった「ほんとうの気持ち」。

静寂の森に、血と紅茶と微笑みが交差するとき、
運命の物語が静かに動き出す。

これは、決して陽の目を見ることのなかった、
一人の「影」と「元王妃候補」の、
優しくて、切なくて、美しい物語。