第4話 現代の知識と未来への計画
信長は光秀に許可を出し、その意識を神の倉庫へと移す。
目の前に現れたのは、現代の超高級マンション第六天魔王ハウスだった。
『…光秀…どういう事だ?マンションって言うから、1部屋の提供だと思っていたが…1棟丸々そびえ立ってるぞ…』
『解説欄確認しましたか?』
『いやマンションの内容までは…』
『そうですか…織田信長は神経質と伝わってますが、意外と雑ですね…』
『雑って言うな!』
50階建ての超高層タワーマンション。どの部屋でも自由に使えるが、41階から上の10フロアーは500㎡以上の部屋となっている。
『今日は最上階の部屋なんてどうでしょうか?800㎡の4LDKです』
『タワマンの最上階で80㎡か、それは素晴らしいな…』
『800㎡です。』
『知ってるよ!淡々と語るな!800㎡なんて温泉ホテルの宴会場じゃねえーかよ!落ち着いて寝れるか!そんな、だだっ広い部屋で』
『困りましたね…最上階は5部屋だけで、他の4部屋は1,000㎡ですが…』
『もういい行くぞ!』
まあ恐ろしい部屋である
200㎡のリビングには、壁面設置型の300インチGIGAビジョンテレビが出迎えた。
『光秀…何故、メジャーリーグのドジャース対パドレス戦が放映されているんだ?しかも二刀流様がマウンドに立ってるぞ。これまさかLIVEなのか?!』
『信長様、神の倉庫ですよ。第六天魔王ハウス内では、前世、織田仁誠様の年月日と同じ時間が流れています。』
『異常だけど年月日は百歩譲ってやる。電波は?おかしいだろ!未来の電波って!』
『何度も言ってますが、神の倉庫です。』
『そうかよ!じゃねぇ~な。ここは信長らしく【で、あるか】ど~よ決まってるか?』
『……冷蔵庫には八海山と刺身盛合せ、生ハムが冷えてます。ビールサーバーからは、AIマイスターが注ぐ生ビールが。湯船に浸かってはいかかでしょう?』
『ちっ!質問に質問で返すどころか、無視かよ!』
『では、某は風呂を頂いて参ります。ワインセラーにロマネ・コンティが入ってますので、それが楽しみです。』
『ほお~光秀、家臣だよな?殿より先に風呂に入るのか?』
『解説欄、まったく読んでませんね……4LDKで800㎡もあるんですよ。殿がお使いになるメインの浴場以外に、ユニットバスが3ヵ所あります。当然家臣の私はユニットバスを使います。』
『………メインの浴場は広いのか?』
『5人が同時に湯船に浸かっても足を伸ばせます。シャワー完備の洗い場も5ヵ所あり、サウナ付きです。』
『……もう解説欄読まなくていいな。疑問点は、お前に聞けば良い。俺の背中を流せ、自衛隊時代の野外演習では同僚と毎日流しあっていたもんだ。。。』
『はっ!ですが某、実体化したのは初の経験ですので、風呂に入るのも初めてです。背中を流す、力加減なんですが…』
金剛力士像も真っ青な筋肉を持つ、明智光秀くん。
「良い……背中くらい自分で流す…(汗)それと倉庫内は誰も入れないんだろ、言葉として話せ。口を動かす練習にもなるぞ。」
「はっ!」
風呂に浸かりこの世の極楽を味わった信長。
ビールサーバーの生ビールを一口飲んで。。。吹いた!
「やはりダメでしたか…前世は無類のビール好きとデータに出ていたのですが、吉法師の身体が受け付け無かったようです。」
「くそーーー風呂上がりのビールも飲めないのか!だから嫌なんだよ10歳のガキンチョは」
烏龍茶とマグロ刺身を食べながら頭を整理する信長。
タブレット端末を収納ワールドから取り出すと、現代の道路工事の映像が映し出される。
「まずは道路工事だ。現代の土木技術を駆使して、尾張の街道を整備する。これが物流を活性化させ領地を豊かにする第一歩となる」
光秀がうなずく
「陸の次は海だ。熱田湊で南蛮船を建造する。この船で海外との交易を始め織田家の財力を磐石な物にする。
勿論、天下統一の海軍としての軍事力にも使う。軍艦はどんどん造るぞ!西欧列強がこの国に攻めてきた時に備える為にもな。」
「火薬、硝石作りも今のうちから動いた方が良いかと。」
「硝石の人工生産法、収納ワールドの知識を参考に確立させよう。人糞や藁を発酵させて硝石を取り出すなんて、この時代には想像もつかないだろう。火薬の国産化は不可欠だ!」
「そうなればもう、南蛮商人に高値を吹っかけられることも無くなります。」
「光秀、俺はこの力を使い天下を統一し富国強兵を成し遂げる。その後は日本を世界の中心に据える。俺が亡き後も、民が平和に暮らせる国にしたい」
信長の言葉に光秀は感銘を受け「某もお役に立てるよう、しかと励みます!」
「頼むぞ。俺達2人は本能寺の変の主役だ(笑)この戦国の世を、その2人で塗り替えてくれよう」
「はっ!仰せのままに」
織田信長と元執事長光秀の、奇妙で壮大な物語が始ろうとしていた。
───
第六天魔王ハウスから出る生活排水は、収納ワールド内の汚水処理場へと自動的に送られ、有機物に分解後、硝石作りや肥料等々に再利用される。
よって環境への負荷もない。
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