公爵令嬢は死に戻る⑧
あぁ、もう終わりにしよう。
「アイスプリズン アブソリュートゼロ」
パーティ会場を氷の牢獄に閉じ込めた。
壁や天井、扉も窓も全て氷で覆い尽くした。
会場内は吐く息が白くなるほどの冷気に包まれた。
「恩知らずどもが、覚悟しろ」
私の頭は殺意で塗りつぶされた。誰一人として見逃すものか。
「生きてここから出たければ、私がお前たちを皆殺しにする前に私を殺してみろ‼︎」
そう叫ぶと、会場は阿鼻叫喚に包まれた。
私の足元にも及ばない魔法使い、騎士、ここにいる百人余りの人間が束になってかかってきたところで相手にもならない。
皆揃って頑張って逃げようと凍りついた出入り口へと殺到した。
魔法で氷を溶かそうとしても無駄だ。
お前らが使える程度の魔法で傷の一つでもつけられるとでも思ったか。
お前らは元婚約者を殺してから、皆殺しにしてやる。
武器を持っているのは私とあの男の護衛の騎士数名だけだ。
あの男の護衛と称する騎士ども、お前らが私に一刀でも浴びせることができたか。
その震えている手と身体で私を斬ろうっていうのか。
奥義生死流転で騎士たちのことごとくを鎧ごと真っ二つに斬り捨てた。
床が流れる血で真っ赤に染まった。
静かに元婚約者を一刀で斬り伏せる間合いに入った。
大小の双剣を抜き放ち、過剰なまでに男を一センチ幅の輪切りに切り刻んだ。
隣に立っている女が悲鳴を上げる前に両手両足を切り落とし、治癒魔法で出血を止めてやった。
「お前には地獄を特等席で見せてやる」
壇上の会場を見渡せる場所に置いてから、有象無象どもを切り刻みに会場に降り立った。
かろうじて抵抗しようとする奴らもいた。
その程度の力しかないのに私を敵に回したのか。
アイシクルランスと生死流転を使い、一分も掛からずに会場は血の海になった。
「さぁ、次は王を殺しに行きましょう。その次は国中の貴族を殺してまわりましょう。その後は隣の国、その次はさらに隣の国。私が生きている限り貴族を自称する連中を殺して回りましょう」
アイスプリズンを解除すると、外にいた教師や騎士がなだれ込んできたので、入ってきた順に撫で斬りにした。
校外に出るまでに出会った連中のことごとくを切り捨てた。
「アハハハハハ、お前が作り上げた地獄はどうだ?嬉しいか?」
女に感想を聞いても何も言わなかった。面白くない。
校門から出て校舎を振り返り、魔法を詠唱した。
「ゼロディバイド」
この魔法は私にも何が起きるのか全くわからない。
高度な魔法の構文に数学のゼロ除算のような構文を入れる。
低位の魔法なら発動しないのだが、高度な魔法だと不可解な発動をする。
試してみたら、その区域が何もなかったかのように消え去ったり、ガラスのような物質に変わったり不規則な現象が起きた。
さて、今回はどうなるんだろうか。
最悪に気味の悪いものに校舎が変化した。
虹色に輝く生き物の内臓とでも言えばいいんだろう。
規則的に脈動する腸のような器官や赤や青や黄色に光る血管のような器官と、直視できない悍ましさだ。
「どうしようもない屑どもの巣窟にふさわしい造形だ」
学校周辺は突如学校が悍ましい物に変化したため混乱状態だ。
学校に向かう騎士連中や逃げようとする連中を尻目に学校を離れた。
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