創作に求めているものが全く違う件
前回からの続きです。
「俺ツエー読んだ……」
「俺レベね。どうだった?」
私は熱く、訴えた――。
「読み始めは『人類最弱兵器』ってどういうことやねんっておもた! Eレベルで1番弱い子ってことやった。人類とは大きく出たな! でも病気のお母さんの入院費のためにハンターはやめられないという強い意思を持っていて、頑張ってるええ子やった。苦難を乗り越えてレベルアップしていくんやろうなって応援する気持ちで読んでた! そしたら…再覚醒ってやつになった!
再覚醒したら、めっちゃ強くなった! それで、それ以降はなんかずっとツエーってなった! そしてあんなにおぼこくて可愛かった主人公が、力を得た直後からまるで別人のように性格やビジュアルがクール系に変わってしまった。超絶スカし野郎になってしまった! え? あれって実は主人公の魂が封じられてしまい、別人が入ってるって展開だったりします? しない? なにかその後こう、苦境に立たされたり一回挫折展開が挟まったりします? しない? このままツエー無双を見守るだけ!? そんなピンチなく勝ち確が続くストーリーの何が面白いのだ!! フゥンッ!(ちゃぶ台投げ)」
「感想なげーw うーん、なんか現実的に読みすぎじゃない? 俺はフィクションにそこまで現実を求めてないんだよね。あと他人視点じゃなくて、ああいうのは自分投影で読まないと」
「自分投影…?」
「恋愛シミュレーションとかだと、一人称だから『自分』としてプレイしてる。でも実際は自分じゃないでしょ。他の人間の容姿がついてるんだから。それとおんなじ感じだと思う」
「なるほど…? でもゲームと違って漫画って神の視点だから自分投影でみてる人は少ないのでは?」
「俺レベは元々小説だからねー。ちなみに少女漫画もごく普通の主人公がなんだかんだイケメンに愛される、みたいなの多いけど、ああいうのも苦難乗り越えずに愛されてなにが面白いのだ! ってなってんの?」
「なっ……てるかな? 主人公が何も行動してないとちょっと嫌かなぁ。頑張ってたりすると応援したくなる! 一生懸命な子がおれは好きだ!」
「そうなんだ。でも世の中の売れてる作品見るとそうでもなさそうだよね。主人公視点で創作を楽しんでる人のが多いんじゃない?」
え……そうなん?マジ?
そういうこと?
私のように観客視点じゃなくて、主人公視点で創作をみてる人が多いってコト……!?
「ちなみにジャンルによるよ。例えば医療系の漫画とかは普通に観客視点で見てるし。まあそういう現実的作品は登場人物がちゃんと根拠のある行動をしないとめっちゃイライラするから、異世界みたいな完全にファンタジーの方が好きだけどね」
うーん、なるほど。
でも確かに、WEB小説(特にライトノベル)は三人称視点だと読まれにくいって話はよく聞きます。つまり、ファンタジー作品を私のように観客視点で読んでる人は少ないのかもしれない。(まあ一人称視点であれ私は他者視点で読んでいますがね……)
私は俺ツエーも、ざまぁも、それに至る根拠がしっかりとほしいタイプの人間です。
創作であれ現実と同じようになんらかの目標があって、頑張ったり挫折したり困難を乗り越えながら、達成して、成長する。そういうヒューマンドラマ要素をかなり求めています。
でも確かにそこを完全に外してみれるとしたら、愛され無双もざまぁ無双もつえー無双も爽快MAX!!!みたいな感じで楽しめる…のか……?
自分の人生に苦難はないほうがいいもんな。
ホント?(まだ疑ってる)
皆様はいかがでしょうか。
次回は「期待値を超えてくる作品ってどういうもの?」
に続きます。
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