第3話 昭和の街角

通りを歩けば、目に映るものすべてが不思議だった。

木の看板に、古びた電柱。丸みを帯びた車がガタガタと走り抜ける。


「……え、PayPay使えますか?」

思わず駄菓子屋のおばちゃんに言ってしまい、怪訝な顔をされて赤面。


自動販売機を見つけて、小銭を入れてみる。

「……ボタン、硬っ!」

必死に押す姿に、通りすがりの子どもたちが笑っていった。


昭和の街は、不便で、だけどどこか温かかった。

胸の奥に懐かしいものが灯る――。


そのとき。

夕焼けに染まる街角から、一人の青年が歩いてきた。

学ラン姿、真っ直ぐな瞳。


「俺は悠也。……未来から来た」


物語は、ここから動き出す。

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