愛が完結した15。【詩】

ドラもり

15の夏。

 いつかのあなたが遺した笑い声。それを聞くたび、あの日々が愛おしく思えてくる。どう足掻いても消せることはない、あの恋路のせいだ。

 何処で間違えたこかは生憎見当がついてしまうけど、過去に縋って、現に今も、いつまでも、好きだの恋だの、見飽きた字面を書いているほどに、僕は恋をしていた。この出来事が喜びと化すことは、恐らく二度と無いのだろうけど、だからこそこの心残りを、いつまでも僕は綴ることになってしまった。

 記憶の履歴にはあなたを検索する僕がいて、僕の人生の片隅にもいつもあなたがいて、その僕は脚本によって若干美化された理想像を、ただここで視認することしかできない。この惨さは誰にも分からない。

 このループから抜け出したい。逃がしておくれ。苦さに耐えきれない僕の救いの手を、神でも仏でも誰でもいいから。なんとか差し出してくれよ。

 どうも15の僕には、あの3ヶ月は刺激が強すぎたみたいだ。

 今日もまた日は昇るが、結局月は見えずじまいだった。

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愛が完結した15。【詩】 ドラもり @Doramori

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