苦痛は重ねて。【詩】

ドラもり

涙。

いつからだろうか。涙は負け犬の象徴と自認するに至ったのは。私は衝撃と絶望を孕んだ憎しみに近い類いである”嫌悪”の襲来を恐れている。先の裏切りは今も頭を無惨にも侵略する。これは非常に鬱である。心の万能薬は残念ながら開発途上で日の目を見る次元にすら到達していない。あのとき、そしていま、恐怖が迫る、走る。そして僕は知る。事実は書き換えられるのだ。目の前で消えたのは、何でもない虚無だと。矛盾が生じる。そして無理矢理過去にする。その矛盾の争いは棚にあげて、都合のいい解釈をする脳の習性を想うと、僕は流石人間だと納得がいく。奇跡だ、そう解釈するべきだ。ただし飾り物に委ねる過去だって捨てても勿体無いのだから、その残虐に片足を突っ込んでみる。直ぐに私は戻ってきた。創作と現実の交差が身体中の戦慄を引き起こす。ああ、心、頭。君ら、僕をどうしたい。なんで直前にその図を予見させた。一番のパイプラインが絶たれるのに、神とやらはそんなにも非情なのか。救いの手は今の今まで治療中か。もはやくそ食らえだ、と野蛮な人間と化す私。暴走は例に漏れず、奇跡の現実が呼び寄せた。無駄だった。そうだ、消せない、何故ここまで懇願しているのに、そう期待は失い遂に負の域に達した。それでも絶望の熟語は、堅調にこれら心情を吐露するための潤滑油であり、これに縋ることが精神安定剤の即効性に寄与するのだ。忘れようとするのではなく、他で上書き。辛いことは薄くしよう。そうすれば、未来の明るさは相当なものになるであろう。今の僕にはその理解、自覚、創造の歪曲、これらを払拭しなければならない。そうなれば明日は来る。そうならなくても来るが、どうにかはなるようになる。でも気が動転した私は、頼んだ私は、私宛か僕宛か、宛先がどちらか忘れてしまった。私宛であってほしい。今を頼れ。頼む。

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苦痛は重ねて。【詩】 ドラもり @Doramori

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