12話 スーパー銭湯
私たちはスーパー銭湯に入っていった、そこには人が数人いた。
「ねぇ、フローズンって風呂、入ったことある?」
「核が落ちてから入ってない」
「まぁね、地上に住んでたからそうだろうと思ったんだ、女子風呂に入るよ」
私たちは女子風呂の着替え室に入った、どうやら私たち以外、いないようだ。
「貸し切りのようだね、暴れ放題って事?」
「暴れる……だめでしょ」
そうして私は服を脱ぎ、すっぽんぽんになったとき、倉敷があることに気が付いた。
「ねぇ、背中の古傷、どうしたの?」
「背中の古傷……そうか、言ってなかったね、風呂に入りながら、話そうか」
私は背中の古傷について、話すことにした。
「ほら、ヌルもスーツ脱がないと」
「……はい」
ヌルはスーツを着たまま風呂に入ろうとしたので止めた、そして豊満な肉体が出てきた。
(こいつ……やるな)
そして私は体を洗い、風呂に浸かった。
「古傷の話だよね、これは核が落ちた時、負った傷なんだ、瓦礫が背中を削りまくってね、死ぬ一歩手前で助かったんだ」
「そんな過去があったんですね、どうせメカトロンに攻撃を食らいまくったと思ったよ」
「メカトロンは動きがとろいんだよ、トロンってね」
「はいはい」
渾身のダジャレが華麗にスルーされたが、古傷の事は話した、風呂って、やっぱり暖かい。
「ねぇ、ヌルって何も覚えてないの?」
「そうですね、覚えてる事はおいしいのはおばさんのたこ焼きだけですね」
「なんでたこ焼きだけ覚えてるのよ」
「知らない」
「なんでその理由は知らないんだよ」
「ねぇ、フローズン、古傷を治療してもいい?」
「いいけど、そのレガリアで親を生き返らせたらいいのに」
「やろうとしたんだけどね、どうやら死んで時間が経った人には効かないようなんだよね、死にたてほやほやはわからないけど」
そうして私の背中の古傷は治療された。
「ふっ、背中の傷は剣士の恥だってね」
「あなたはガンマンでしょ、いつ刀を扱えるようになったのよ」
そんなツッコミを入れられた、そして私たちは風呂を上がった、隣が何か盛っているようだったが、私たちには関係が無かった。
「ふぅ、風呂に入ってこいって言われたのは正解だったね」
「そうだな」
そして私はいつものの服に着替えた、そして私たちはスーパー銭湯を出た。
「しかし、ヌルはまたそのスーツか、飽きないんだな」
「ええ、私はこれしか着る服が無いのでね」
私もぼろ布の服だ、できるだけ早く新しい服を着たいものだ。
「さて、帰るか、ん?あの髪型、どこかで見たんだよなぁ……」
髪の毛が重力に逆らって立っている男の人がいた。
「うっす、ここ出身だったか」
「あの人だ……」
ヌルは一度ぶちのめされているのでちょっとビビっていた。
「髪型、バチバチに決めてるね、意味はあるの?」
「これか、漫画で出てきた人の髪型をバチっと決めたんですよね、その本、地上に置き忘れたので、一緒に行ってくれると、助かる」
「いいけど、その代わりにその漫画のキャラと同じ髪型の奴いるの?」
「いるっすよ、後で見せますよ」
そして私と髪をばっつりと決めた男と倉敷、ヌルと一緒に地上に出た。
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