11話 不可思議な能力

私とヌルは地上に上がり、メカトロンを探した。

「メカトロンのコアってね、高い値段で売れるらしいね」

「メカトロン……あの機械なのかな」

「そうだね、あれは音を出さない限り追ってこない個体だね」

「そうですか」

ヌルは地面にあった石をそのメカトロンに投げた、当然音が鳴りメカトロンは近づいてきた。

「ちょっと何してるのよ!?」

「いいから見てて」

ヌルの周りに尖った石が浮き始め、その石は弾丸のように飛び、メカトロンを再起不能にした。

「私の能力、無機物を自由に動かせるんだ」

「へぇ……」

「じゃ、コアを採ろうか」

私はコアを引っぺがした、だが無機物を操る能力……使いこなせば強いのだろう。

「ヌルって、本当にピチピチスーツ好きだね」

「そうですよね、体のラインがくっきり見えるのでね」

「本当によくできたスーツだよね」

「そうですか?」

そして私は廃棄された車の中を見た、人骨がある、恐らくメカトロンはフロントガラスを突き破ってこの人を殺したのだろう。

「……何か使えるものあるかな?」

探したが何もなかった、しけてると思ったが、その人にケチをつける行為になるから言うのをやめた。

「しっかし、地上に人がいないよな」

「ですね、元々は人が地上で暮らしていたのが噓のようですね」

「そうだね……あれはなんだ?」

遠くに見えたのはメカトロン数体に追われている男の人だった、髪型が凄いことになってるけど、どうかしたのか……?

「ちょっとあれって、助けた方がいいのよね?」

「助けた方がいいと思うに一票」

「じゃ、いっちょ、やりますか、時止めぇッ!!!」

私は銃弾を男の人に当たらないように撃った、その時私は気が付いた。

(時止めの時間が伸びている……5秒に伸びているぞ……)

その間に銃弾をリロードし、計24発を発射した、そして一斉にメカトロンに鉛の雨を食らわせた。

「お見事~」

「大丈夫か?」

「うお……」

男の人はヌルの体を見てちょっと興奮していた、ヌルはその事に気が付いたのか髪の毛の事についていじり始めた。

「その火山がボルケーノした髪型、どうしたの?」

その一言で男の空気が一変した。

「今俺の髪型、なんつったッッーーー!!!」

そして男の男女平等パンチはヌルのみぞおちに入った。

「ゴアァァァッ!!!」

「俺はな、髪型を貶されるのが嫌だ、お前も何か言ったか?」

「いいや、ただヌルは貶したかもしれない」

「あいつの名前、ヌルっつぅのか、覚えておかないとな」

そう言って荒野の彼方に消えていった。住んでる場所があるのかな……?

「さて、ヌル、大丈夫か?」

「大丈夫……多分……ゲボッ」

「もう、ゲロまみれじゃないの、後で私が体を拭いてあげるから……」

「ありがとうねぇ」

そうして私はメカトロンのコアを持って帰った、そして金に換えてから家に帰った。

「ただいまー」

「おかえりぃ~」

中では倉敷がくつろいでいた。

「もう、ヌルがゲロまみれなのにそんなこと言えるのね」

「本当だ、どうした?ゲロを出すメカトロンにあったのか?」

「そんなメカトロン嫌すぎて1秒でぶっ殺してるよ」

その会話を聴いていたママがこんなことを言った。

「なら銭湯に行くがいい、金ならある」

「ここのバンカーに風呂あるの?」

「スーパー銭湯だけどな、いいぞ、ちゃんと女子風呂はあるから安心しろ」

「じゃ、今までの疲れをとるために、向かうか」

「しゅっぱーつ」

こうして私とヌル、あと倉敷はスーパー銭湯に向かった。

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