8話 一生の懺悔

地上を探索して思ったことがある、メカトロンは何処から湧いてくるのかと。

「ねぇ、こんなメカメカしい奴って、どこから生まれてると思う?」

「知らない、というか核が落とされた時、私は謎の場所にいたからね」

かるは指をさした。

「ここ、今は入り口ががれきで崩れているけど、ここでデスゲームが行われてたんだ」

「へぇ……ここが……」

その入り口はまるで何かの恨みが詰まっているような感じがした。

「さて、行こうか」

そして墓を続けて探すことにした。

「確かここが学校だった場所……だよね?」

「分からないって言ってるでしょ?でも何か知っているような感じがする」

私とかるは廃墟の中に入っていった、中は学校だったことを示すように校歌が書いてあった。

「ここの学校、私の学校だ」

「そうなのね、卒業生として、来たのね」

「ええ、もっと賑わっていたはずなのに、今はこんな人の気配がない寂しい場所になっちゃったのね」

かるはそう言って掲示板を手でこすっていた。

「まだこれは残っているのね」

こすっていたもの、それは刃物が掲示板を削った後だった。

「……あ」

かるの目線の先にあったのは、慰霊碑だった、綺麗なまま、その場所を守るかのように、建っていた。

「ここにあったのか」

かるは慰霊碑の場所まで歩いた。

「……何を言ったらいいのかわからないけど、ごめん」

顔には涙が流れていた。

「これ、置いておくね」

かるはあの写真を慰霊碑の前に置いた。

「……あのね、もしも、みんなが生きてたら、どうなってたのかな、私は誘拐されずに、平和に暮らせてたのかな」

かるは慰霊碑に座り、こう言った。

「まぁ、私がこういっても、誰も返答してくれないのよね、私が殺しちゃったから、本当に、私ってバカだよね、イジメを他の人に言わず、その結果、こんなことになった、どこかでおかしくなったのかな」

そう言った、そして去り際には。

「また会いに来るから、その時は、お団子でも、お供えしておくよ」

そう言って学校から出ていった。

「いいのか?写真を置いて行っても」

「いいんだ、これが、今、私ができる、決別と懺悔だ」

「そうなのね……」

私はかるの肩に手を置いた。

「誰でも過ちはあるんだ、私だって家出少女だったんだ、その過程で盗みもしたさ」

「盗みか、やる気起きないな」

「何のやる気よ……まぁいいわ、バンカーに戻るわよ」

私とかるは帰路に着いた、その時、後ろから声がかかった。

「ねぇ、あなたたち、人間よね」

私は後ろを振り返ったらいけないと思った、霊的な物だと、あの世に連れていかれるかもしれないから。

「……振り向いてもいい奴だな、これ、だけどリボルバーを構えて」

そうかるさんが言った。

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