第11話
河香葉と瑞川は、服飾系総合テナントビルの建物内にある美術館に足を踏み入れた。入口近くには、ジェシカ・ウォルシュやMONDOの作品が並んでいるが、二人は全く知らず、ただポカーンと見つめるばかりだった。
「MONDO?」河香葉が首を傾げる。
「映画のポスター?みたい?気合い入ってるね」瑞川が感想を漏らす。
ジェシカ・ウォルシュの作品も、二人には未知の世界だった。イラストレーターなのかデザイナーなのか、どちらなのか分からず、ただ「なんかデザイン系っぽいね」とゆるく話しながら展示を進む。
館内の奥には、アメリカの新進気鋭の作家によるグラフィックアートがずらりと並んでいる。色とりどりの作品に二人の目は釘付けだ。
ある壁面の前で、河香葉が立ち止まった。壁には卵が無数に突き刺さっているインスタレーションだ。見た目は卵だが、触ると柔らかく凹む。触っていると元に戻るのか、ゆらゆらと浮き出てくる。
「これ、触っていいんだ!」河香葉が驚きながら手を伸ばす。
瑞川も触れてみて、「面白いね、なんか不思議」と声を上げる。
「この卵の頭の部分って、どういう意味なんだろう…」河香葉が首をかしげる。
「凹んだり浮き出たりするの、何か象徴なのかな?」瑞川も考え込む。
二人は写真を撮りながら、触って遊んだり、作品の不思議さを楽しんで回る。周りの展示も見渡しながら、二人は思わず笑みを交わす。美術館の中は静かだが、二人にとっては探検のような時間だった。
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