第3話

目を覚ますと無機質なベッドの上で寝ていた。


「大和さん大丈夫ですか?」

「うん、大丈夫」

「本当に心配したんですよ」


ベッドの横で座っていた真凛が今にも泣きそうな声で話しかけてくれている。

どうやら、殴られた拍子に気絶をして、救急搬送されていたらしい。


「真凛ちゃんは大丈夫か?」

「はい、あの人達は警察に逮捕されましたよ、」

「怪我してないなら良かった」

「良くないです!私の為に殴られて、気絶しちゃってどうしたら良いのか分からなくて…」


真凛の額を流れる雫。真凛を守る為の行動が逆に心を傷つける結果となってしまった。


「ごめん」

「ごめんじゃないです…」


一言残して病室を離れて行ってしまった。

俺は馬鹿な事をしたと直感した。


この日は検査のため入院をするという旨のメールを送信して眠りについた。



「あれ?居ない」


検査結果に問題はなかった為、昼過ぎに家に帰ることができた。

だけど肝心の真凛の姿がない。

外食かと思い、メールボックスを開くと1件のメッセージが届いている。


『私のせいでごめんなさい。別の場所で暮らそうと思います』

「なんだよ、別に真凛のせいじゃないのに」


哀しい気持ちになる。父さんが消えたあの日ににている。

だが、その感情に浸っている暇はない。俺はスマホで叔父さんに電話をかけた。


「叔父さん!そっちに真凛居ますか!」

「真凛ちゃん?来てないけどどうしたの?」

「実は…」


昨日と今日に起きた出来事を叔父さんに話した。


「それは大変だ!叔父さん今出張で東北に居るから、帰るのに2時間はかかる。だから先に探すの頼んだよ」

「分かりました!お気おつけて」


電話を終えて直ぐに自転車に跨り駅や交番等に捜索をお願いした。その途中に真凛の学校側でも捜索を行うと言う連絡があった。

だが、幾ら探しても見つからない。監視カメラを見た感じ市外に出てないことは確からしい。


「本当に何処なんだ…もしかして」


嘆いて居ると思い出した、行っていない場所で真凛の行きそうな場所を。

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