第6話 『勇者』の旅路#6

「………いい加減にしなさい!!2人ともっ!!」



あっ、怒らせちゃった…………。まずい………。


「て、てったーい!!」


「同感だな。馬車に急ぐぞ!!」


「ま、ち、な、さ、い。」

パーリニアがにっこりとした笑顔でキレている。


「ぴぎゅおっ。」


あっ、乙女が出しちゃいけない声出ちゃった。



「がくがく…………」


あっ(察し)



いつも、こうやって怒られてるんだね。可哀想に。会長。



「では、ここで怒りましょうか。」


「待って!!ボクは『勇者』として…………」


「待ってくれ!!俺も会長という立場だから…………」


「待つ??何をですか??…………さて、まず、『勇者』様ですが………あんなことを公共の場で話すことでありませんよね??」


「はい。申し訳ありません。」


「ええ。では、………拳で済ませますね。急ぎたいそうですから。」


「「え、」」


「はい、どうぞ!!」



腰の捻りを入れた拳骨。痛い。



「いった!!痛いよ!!」


「当たり前です。それとも、もう一発行きますか??」

「ごめんなさい。」


「よろしい。……………さて、あなたは………………夜に致しましょうか。」


「待ってくれ、今日は……………」


「二人、一緒に抱けばよろしい話でしょう。では、準備は済んでおりますので、『エートゥリーヒ』に向かいましょう。」


「おい、商会は……………」

「回せませんので、おやすみさせました。そろそろ休みの時期なので。」


「いいのか??」

「多少物価は高くなりますが、一週間ほどで帰ってきますよ。」


「…………はい。」  

「だって、そろそろ会議の時期でしょう??」



会議………、あぁ、会長と本部及び支部副会長、そして、私が参加する会議ね。



「まぁ、はい。」

「そこで皆を(肌を)ツルツルにしてもらわねばなりませんので。」



「……………はい。」

「じゃ、行きましょうか。」




「やっぱ、楽だわ〜。」

「お前な………。はぁ、まぁ、いいや。」


「えー、なんか『勇者』に対しての敬意が足りなくない??」



「足りなくていいだろ。クソレズビアンめ。」


「あははははは、ぶっ飛ばすよ。」




「あ??やんのか??」



「はい、ふたりとも。やめましょうか。知ってる人はいないとはいえ、良くないですよ。」



「「はーい。」」


「本当にこの人たちは……………はぁ。」

「あ、後どれくらいで着きそう??」


「まぁ、魔物がでなければ、3日といったところですね。」

「でたら??」


「まぁ、3日半か、4日は覚悟すべきでしょうね。」


「あ、そう。ボクが本気出すからいいよ。」

「力がないのにですか??」

「いやだから、制限セーブ中なんだってば。」


「そうでしたね。うっかりしてました。さて…………では急ぎましょうか。」




いざ、『エートゥリーヒ』へ。

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