第13章:再び訪れる試練

第13章:再び訪れる試練

村の外に出た二人を待っていたのは、恐ろしい光景だった。村の周囲を取り巻くように、闇の中から「暗黒の狼」の残滓のような存在が現れ始めていた。それは、かつての戦いでは消し去られたはずの力の一部で、今度は完全に覚醒してしまったようだ。

「これは…」陸はその光景に目を見開いた。「あれは、俺の力を吸い取って復活した者たちだ。どれだけ戦っても、俺の力が戻ってきた限り、終わることはない。」

咲は恐れを感じつつも、冷静に言った。「でも、今度は違う。あなたはもう一人じゃない。私がいるから、あなたを守るから。」

陸は一瞬、その言葉に驚いたが、すぐに咲の手を強く握り返した。「ありがとう。でも、今は戦うしかない。」

彼の目に宿る決意は揺るぎないものだった。しかし、再び狼の力が目覚めることへの恐怖と、それでも戦うしかないという現実が彼を苦しめていた。

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