考えはウィンナーによって
騒動は長い間続いた。おおよそ一年強はこの話をしている。アトモスでは大した娯楽がないので快楽を得るためにいつまでも叩いていた。
どうにかしないといけない、と考える日々を過ごすはじめだったが料理中、焼いていたウィンナーが突如フライパンから落ちた。
「あっクッソウィンナーが逃げた」
3秒ルール3秒ルール、とかがんだ瞬間、はじめはびびーん!良い案を思いついた。
あまりの衝撃で3秒ルールを破ってしまった。おいしかった。
はじめは走っていた。まるで瑠世とはじめてあった日のように。
考えた案はただ一つ。アトモスから逃げ出すのだ。
はじめは走った。いままでにないほど。これで瑠世を苦しみから解放させられる。
はじめは瑠世にもらった合いかぎを使って家のドアを開けた。
瑠世は床に倒れていた。
はじめはCONNECTに投稿した。
『瑠世は死にました。あなた方が殺したのです。あなたたちはこうなることを望んでいたというのですか。小さな命の電源を落としたことを深く反省してください』
この投稿には多くの反応が寄せられた。
予想外にもあながち多かったのが誹謗中傷民を誹謗中傷する輩。
『こんなふうにしたかったのか』や『人として、サイテー』など(オブラートに包んだ表現)を投稿する人が多かった。
やがて暴動も起きた。かつては争いがない平和な年だったのにいとも簡単にその幻想は壊れた。
もちろん瑠世はこんなことを望んでいない。平和が一番だと思っている。しかし、こいつらはすぐ人の意見に流され、攻撃をする、そんなクラゲのようなやつを野放しにしておくのは危険すぎる。
「それなら…」
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