はじめは激怒した。必ずかの邪知暴虐な(ry)

「ママ…なんで瑠世が避けられてるの?」

 はじめはその日母に聞いていた。

 やがて意を決したように「コーズを出しなさい」と言った。

 そのコーズをいじりながら言った。

「ここアトモスでは特別なSNSがあるのはいったわね?」

「うん。えっと、確か名前が…」

「CONNECT SNSにしちゃ安直な名前よね。これを見ればわかると思うわ」

 そこまで一息で言って、息を思いっきり吸って。吐いて、話し始めた。

「どうか気に病まないでよ」


 端的に言うと問題になっているのは瑠世の眼の色だった。

 はじめやその母、八百屋の主人は眼が黒い。

 ただしその中で瑠世のもつ蒼色がいるというのが問題らしい。

 アストライア神の聖書では蒼色の眼を持つものは悪魔として登場する。

 つまり悪魔がはじめの住むの町に降り立った、というのだ。

「そんな、馬鹿な事あるわけないじゃないか!」

 はじめは怒りのまま外に出ると町ゆく人に瑠世が悪魔なんかじゃないことを力説した。あるものは無視、あるものは賛同してくれた。しかしCONNECT上では賛同者が奴は悪魔だ、殺さなければ。と力強く発言していた。もちろんそのフォロワーやほかの利用者の意見も同じだった。

「このままだと瑠世が殺されてしまうのか…?」

 そうつぶやいたはじめは続けてつぶやいた。

「そうか、それは、いやだなぁ」

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