第9話 認知行動療法についてのはずが。

つい最近。

認知行動療法、ACT というものを知った。

幸せになりたいなら幸せになろうととしてはいけない。

という本を知って、読んで、あー探してた答えここにあったー。という感想。

もっと早く出会いたかった。


で、その事について書こうと思ったのだけれど。


昨日、久しぶりに、1人ドライブで高原にソフトクリームを食べに行った。

心療内科の診察時間が午前中だったので、

休みの日なのに、朝からがんばって起きたのだ。

お薬をもらって、家に帰る途中。

思い立って車を走らせた。


つい最近まで長距離の運転ができなかった。

集中力が続かないのと、不安で、疲労と頭痛がひどかったからだ。

1番つらい時は、片道20分以上の所には行けなかった。

20代の頃は家に帰りたく無くて、

夜な夜な海や山に星を見に行く1人ドライブが、習慣的になっていた。

なのに、電柱や、ガードレールに自損事故を数回立て続けにやってしまった時期があり、それから、長距離を走れなくなった。


今年の春にピザがどうしても食べたくて、

片道1時間のお店に行くチャレンジ、をしてみた。

かなり気合を入れて朝から、用意をして、がんばった。

ご褒美の様な美味しいピザ。美味しいお茶。

少し肌寒い、だけど心地よいテラス席でぼんやりと

私はやっとここまで自分にもどってきたのだなぁ、

と感慨深かった。


心の中だけ、どこか遠くに、何処か、遠くの隠れ家に身を潜めて震えていた。

そこから、やっとここまで戻ってきた。

いや、這い上がって来た。が近いかもしれない。


その高原は家から片道約40分ほどで、直線距離は遠くないのだが、山から山から山の山道を行くので、正にワインディングロードというやつだ。


秋の日差しが紅葉や枯れ葉をきらきらと、

身が成りすぎてかたむき、ぼたぼたと落ちている柿。日焼けした緑。銀杏が、灰色のコンクリートを彩る。

山に進む程に下がる気温に、自然の中は変わらず四季が巡っている事を感じる程に、なんだか嬉しくて、1人車の中でニマニマしながら走った。


贅沢な時間。

高原から見渡す連山。

すすきの穂が白銀に揺れる草原。

上を向けばどこまでも広い空。

泳ぐ様に流れて行く秋の雲。

森に入ると、角度の低くなった陽の光が木々に斜めに差し込み、たゆたう木漏れ日が、静けさと共に、ただ、そこに生きている。

そうだ、この気持ち良さが私は大好きだった。


10月末の平日。

牧場の駐車場には車が一台もない。

あまりにも気持ち良くて、楽しくて、踊りたくなった。高原の真ん中で、

ソッテ、バドブレ、ストゥニュ

を軽ーくスマートに出来たら素敵なのになー

と、草の中を、飛んで、2歩進んで、回る。

ブーツで走り回りながらぴょこんぴょこんぴょこんくーるーり。

私はいつか踊れる様になる日が来るのだろうか?

いや、ぴょこんぴょこんが丁度いいのかもしれないな。

そんな自分が楽しくて。


なんて贅沢な時間。

こんな穏やかに弾む日が大切なのだ。

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