第6話 起立性低血圧とバレエのバーレッスン
心療内科に通い始めて、少しした頃。
体力付けようと考えた。
ヨガやピラティスもかじってみたが、立ったり座ったりする度に立ち眩みしてどうも具合が悪かった。
歩くのが良いと言われたが、外に出て歩くのはハードルが高くて無理だった。
外に出る出るためにはまず着替えなくてはいけない。ご近所さんの目も気になる。車で公園まで行って歩く、も、やってみたが、続かなかった。
熱中症で倒れてから、どうも上手く動けなくなり、
一週間ほどは頑張って和菓子屋にも勤務したのだが、とうとう行けなくなり、退職した。
退職してから2か月くらいはほとんど立ち上がれなかった。トイレに行くにも立っては立ち眩み、壁をつたってやっとだった記憶がある。
その間も、月に一回心療内科には通っていた。
30分ほど運転して行っていたのだが、正直どうやって意識を保っていたのか、覚えていない。よく事故らなかったなぁとつくづく思う。そんなだから、毎回予約の時間に間に合わなかった。
ある日、立ったらめまいや立ち眩みがして中々立ち上がれ無い。と話していると、先生はふと閃いた様に「起立性低血圧なのかな」と言った。
初めて聞く「きりつせいていけつあつ」が私の頭の中で漢字にならなかったため、それが何なのか先生が何を言っているのかもわからず、ぼんやり「はぁーそうですかー」などと言って帰ったと思われる。
しばらくしてから、きりつせいていけつあつ、をググってみた。
起立性低血圧(きりつせいていけつあつ、英語:Orthostatic Hypotension)について
簡単な説明
急に立ち上がったときや、長く立っているときに、一時的に血圧が大きく下がり、脳への血流が不足することで、めまいや立ちくらみが起こる状態です。
メカニズム
通常、人が立ち上がると重力で血液が下半身に移動しますが、自律神経がすぐに働き、心臓の拍動を上げたり、血管を収縮させたりして血圧を一定に保ちます。
しかし、この自律神経の調整機能がうまく働かないと、血圧の低下を補うことができず、症状が出ます。
主な症状
• 立ちくらみ、めまい
• ふらつき
• 失神(気を失う)
• 吐き気
• 全身のだるさ
原因
自律神経の不調のほか、薬の副作用、脱水、貧血、心臓や神経の病気などが原因となることがあります。主に、思春期の子どもや高齢者に見られやすい傾向。
という事がわかった。
最近では起立性調節障害と言われる事が多く耳にした事のある人も多いかもしれない。
自分が起立性低血圧であると解った事は、大きな発見だった。そしてその発見はとても良い方向に私の心を傾けてくれた。
なぜなら、立ち上がると頭がふわっとして座り込むことや、めまいが止まるまで壁に貼り付いていなくては行けない事が、とても苦痛だった。
どうしてそうなるのか、全くわからなかったから、自分の体は何かおかしいな?と悩み、でも病院に行っても悪い所が無い。消化器内科に行って胃カメラの時も、ちょっと炎症してるけど異常と言うほどじゃ無い。という結果。
体の不調に対して、ただただ分からないという不安が募っていた中、理由が解ると、とても気持ちが楽になった。そして対処方法も解る様になる。
例えば、ベッドから起き上がる時はまず、横向きになって、足だけ下ろして、ゆっくり、少しずつ、上半身を起こす。座りの姿勢になった状態でめまいなどがあればそのまま少しじっとしておく、しばらくして症状が無くなってきたらまた、ゆっくり立ち上がる。急に立ち上がらない。急に座らない。などなど。
しばらく休むと、2、3ヶ月だったかな?
流石に家の中は動き回れるようになった。上記の様に、起き上がるコツなどもわかるようになり、異常に甘い物を欲する様になり、ムシャムシャ手当たり次第食べるようになった。
どうやって過ごしていたのか分からないが、我が両親に大人になった子供を一人養う、力は無く。
自分の銀行のカードローンの上限は当時確か40万だったので、なんとかして働かないと、生活出来ない状態になった。でも寝てばかりだった体には筋肉が無く、まず、体力を付けようと思い至った。
二十代後半に掛け持ちで働いていた料亭の女将さんに連絡をして、週一くらいで働かせてほしいとお願いして、週一から働き始めた。
その時、たまたま友人がバレエを習ってるよーと言っていたのを思い出し、そのバレエ教室を教えてもらった。友人はやめた後だったが。
それが良いのかわからないが、とりあえず、バレエ教室に憧れていた時があったので、やってみよう。となった。
すると、これが、なかなか正解だった。
何と言っても、バレエのバーレッスンはその名の通り、バーがあるのだ。ずっとバーを持っていて良いのだ。いや、もちろんバレエのバーレッスンの目的はバー無しで全てのメニューをできる様になる事なのだが。。。
それでも最初の何年かはスタジオに行っても体力が持たずに、レッスンの途中からは見学していた。
全身の血が地面に吸い込まれていく様な感覚になり、汗をかいているのに、全身が冷たくなるという状態になっていた。
まぁ、そんなことで、バレエの特殊な体の使い方や、バーレッスンの前の体ならしにしても、動きを覚える事が出来なかったため、最初の目標は、1時間半のレッスンを途中下車せず、ちゃんと通してできる様になる事だった。
バレエの先生に家でこの動きの練習すると良いよ。
と教えてもらっても、覚える事ができなくて、家で練習する事ができなかった。
習い始めて9年目。
今頃かー出来ないにも程があるやろー。と自分でも思うが、ここ半年ほどでやっと日常生活の中で体ならしやバーレッスンの一部(プリエだけとか)を取り入れる事ができる様になった。
なにより、O脚が治った。
これが何より嬉しい。
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