第3話 公園の宇宙人

 宇宙人がやって来た!と噂が立ち街は騒然として浮足立っていた。

 私は宇宙人とかあんまし興味ないので、ひそひそ噂話をする女の子たちの横をすり抜けて学校から帰宅する。

 公園の前に差し掛かると、何か変な生物がブランコの所に座っていた。

 あー宇宙人じゃねあれ?と思ったが、興味がないので無視無視。


「こんにちは」


 無視無視。


「こんにちは」

「うわっ」


 宇宙人は私の目の前に顔を覗かせて言った。見ると道路のこちら側まで長い首を伸ばしている。うわキモッ。

 宇宙人は鼻っ柱?を私に近づけて来る。複眼に私の姿が沢山映り込む。


「私に興味がないのですか?どうしてですか?」


 宇宙人が聞いてくる。知らねえ。興味がねえものはねえんだよ。

 私は宇宙人の顔を押しのけて、そのまま歩き出した。


「ねえ、何で興味ないんですか。ねえねえ」


 宇宙人の声が背後から響く。ついて来てる?やだなあ。私は、くるりと踵を返して宇宙人に向き直る。


「私は他の人とは違うからッ」


 私は、大声でそう答える。宇宙人が、何だか悲しそうな顔をした。


「そうですかー、そう、そうなんですかー。そんな、僕から見たら貴女も他の人と同じですよー」


 やかましいな。と思いながら私はまた歩き出す。宇宙人が、いつの間にか隣にいて、同じ歩幅で歩いていた。

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