第3話 公園の宇宙人
宇宙人がやって来た!と噂が立ち街は騒然として浮足立っていた。
私は宇宙人とかあんまし興味ないので、ひそひそ噂話をする女の子たちの横をすり抜けて学校から帰宅する。
公園の前に差し掛かると、何か変な生物がブランコの所に座っていた。
あー宇宙人じゃねあれ?と思ったが、興味がないので無視無視。
「こんにちは」
無視無視。
「こんにちは」
「うわっ」
宇宙人は私の目の前に顔を覗かせて言った。見ると道路のこちら側まで長い首を伸ばしている。うわキモッ。
宇宙人は鼻っ柱?を私に近づけて来る。複眼に私の姿が沢山映り込む。
「私に興味がないのですか?どうしてですか?」
宇宙人が聞いてくる。知らねえ。興味がねえものはねえんだよ。
私は宇宙人の顔を押しのけて、そのまま歩き出した。
「ねえ、何で興味ないんですか。ねえねえ」
宇宙人の声が背後から響く。ついて来てる?やだなあ。私は、くるりと踵を返して宇宙人に向き直る。
「私は他の人とは違うからッ」
私は、大声でそう答える。宇宙人が、何だか悲しそうな顔をした。
「そうですかー、そう、そうなんですかー。そんな、僕から見たら貴女も他の人と同じですよー」
やかましいな。と思いながら私はまた歩き出す。宇宙人が、いつの間にか隣にいて、同じ歩幅で歩いていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます