エピローグ

10年後。


「ほらほら!もう少しだよ!頑張れっ!」

ある女性は明るい声で目の前の幼い男の子を励ましていた。

カラフルなアルファベットのポスターが壁一面に貼られている。

どうやら彼女は英語の教師のようだ。

「せんせー!もう、わかんないよー!おれ、英語なんて大嫌い!」

ふくれっ面の男の子の様子に彼女はクスッと笑った。

そして、しゃがみ込んで男の子の目を優しく見つめる。

「実はねー、先生も英語嫌いだったんだよ!でも、先生は、今、英語の先生をしてる!だから、大丈夫だよ!一緒に少しずつ頑張ろう!」

彼女はそう男の子に語りかける。

男の子はその言葉を聞いて、意外だったのか目を丸くさせた。

と、そのとき彼女のスマホに「ピコン」と一通のメッセージが届く。

そこにはこう書かれていた。


「Thank you for coming to America the other day. I was happy to meet you as an English teacher! I’m rooting for you. I’m looking forward to seeing you again! Nina」

(この前はアメリカに来てくれてありがとう。英語の先生になったあなたに会えて嬉しかった!あなたを応援してるよ。また会える日を楽しみにしてるね! ニナ)


それを見つめた彼女は、ニナのおかげだよ、とそっと微笑んだ。

そして。

「今日も頑張ろうっと!」

そう、小さく呟いた声はそよかぜと共に空高く舞い上がっていった。

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もし世界から英語が消えたなら チョコバー @Choco-bar

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