第4章 世界から英語が消えちゃった?
「……でさー。今朝こんなことがあったんだよ!」
今は学校の休み時間。
なんとか遅刻せずに間に合った私は、幼馴染の
「瑞希にスマホって言葉が通じなかったんだよー。やばくない?」
私はそこまで言って顔を上げる。
すると。
てっきり私は「それはやばいって!」みたいな反応が返ってくると思ってたのに。
なぜか2人は予想外の顔をしていた。
「え?どういうこと?何か言ってよー!」
私は2人に詰め寄る。
と、2人は何やらコソコソ話しだした。
「なー、詩乃。スマホってなんだ……?」
「え、あたしも分かんない!」
「またいつもみたいに花純がおかしくなっただけか?」
「うーん、そうじゃない?いつも花純はぶっ飛んだ行動してくるもんねぇ。」
私はその聞こえてくる話を聞いて固まる。
もしかして。もしかして2人にもスマホが通じてない……?
……嘘でしょ。
この世界、どうなってるの……?
私は混乱しながらも気を取り直して、話題を変えるべく別の話をする。
「そっ、そういえばさ、次の授業は英語だよねっ!あーあ、私、英語嫌いだから、やだなぁ。」
「……えっ、英語って何……?次は国語だよ。」
驚いた顔の詩乃が桜輝と顔を見合わせて、私を見る。
「う、嘘っ!だって、時間割にはちゃんと英語って書いてあったし……。」
私は慌ててカバンの中から時間割表をガサゴソと引っ張り出す。
そして、時間割表を広げて、今日の授業のところをみつめる。
と、今度こそびっくりした。
だって!
それまでは確かに「英語」って書いてあったところがいつの間にか「国語」に変わってるんだもん。
そして、さらに私は時間割表の全体を見つめて驚いた。
……え?嘘でしょ。
私は小さく呟く。
だって、紙の上から「英語」という文字が全て消えてたんだから。
……もしかして。
私はある考えがふと頭に浮かぶ。
私はドキドキする鼓動を抑えて、恐る恐る2人に聞いた。
「ねっ、ねえ。2人は「英語」って知ってる?ほっ、ほら。AとかBとかそういう文字でできてる言語のことなんだけど……。
すると、2人は不審そうに私を見つめながら、それぞれ答えてくれた。
「だから、英語って何なんだよ?俺はそんな言葉聞いたことないぜ。」
「あたしもないよ。っていうか、今日の花純、どうしちゃったの?いつもに増しておかしいよ!」
私はその答えを聞いて確信した。
多分、この世界から英語が消えちゃったんだ!!
私はそこまで考えてふと昨日のことを思い出した。
そういえばだけど。
昨日寝る前に、私、「世界から英語が消えたらいいのに」って願ったよね?
もしかして、これが原因?……いや、まさかね。
……でも。
そう考えれば、全てのことが繋がっていく……。
昨日の夜の私の行動、今朝の瑞希の行動、今の2人との会話。
……そういえば、いつもの街並みも少しおかしかったけ。
いつも私は「レストラン
今日は看板のところが「お食事どころ飯尾」って書いてあったんだよ。
最初は気のせいかなって思ったんだけど、ちゃんと変わってたんだ!
そして、ふと考えてあることに気づく。
……私、もう大っ嫌いな英語の勉強しなくていいじゃん!
やったぁ!!
私はつい嬉しさを隠しきれずにガッツポーズを決める。
と、そのときチャイムがなって次の授業の先生が教室に入ってきた。
詩乃と桜輝の2人はささっと自分の席に戻っていく。
そして。
本当に英語じゃなくて、国語の授業が始まったんだ!
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