第2章 英語なんて世界から消えちゃえばいいのに

花純かすみ!ちょっと、どういうこと?」

お母さんが1枚の紙を目の前に突きつけて、私を問い詰める。

「どうもこうもないよ!勉強した結果がこうだっただけ。」

私はお母さんに負けじと言い返した。

そう、今私の目の前に突きつけられてるのが、ついさっき言ってた英語のテスト。

点数は私の名誉のためにナイショだけど、まぁ、良くない結果のテストだ。

お母さんに怒られるのが目に見えてたから、家に帰ってすぐに自室にこもろうと思ってたんだけど。

なんと、玄関の扉を開けるとお母さんが仁王立ちして待ってたんだ。

さすがに私もこれにはびっくりして。

怒られることを回避できるはずもなく、今、お母さんに怒られていた。

「━━━いい?英語はできるようになると、とっても役立つの。お母さんは外交官として、英語をよく使うからわかるのよ。それに世界の共通語も英語だし。将来につながる教科なの。嫌い嫌いって言ってないで、もう少し勉強したらどう?」

お母さんは延々と英語について話す。

私は早くこの場を切り上げたくて適当に相槌をうった。

「はいはい、わかったよ。英語でしょ。わかったわかった。」

でも。

それがお母さんにとって逆効果だったということに、私は言ってから気づいた。

お母さんはそんな私の様子見てますます熱を入れる。

だから、その後私はみっちり3時間、怒られたんだ━━━。


ーーー

その日の夜。

私はベッドに潜りながら考えた。

……お母さんはいつも英語は大事って言う。

世界の共通語だし、将来にもつながるって言う。

でもさ、私は思うんだ。

今は技術も進化してるし、翻訳機もある。

それにチャットgptとかいう、なんかすごいものも出てきたし。

だったら、それらに頼ったら世界に出てもどうにか生きていけるんじゃない?

それに。

日本で生きていく上では、日本語だけでも生きていけるじゃん。

私、将来外国に行くつもりもないよ?

なのに。

どうして、お母さんは英語が大事って言うんだろう?

わけわかんないよ。

英語なんて、26文字しかないんだよ?

それで日本語の50文字を表そうとする方がおかしいよ。

そんなことできるわけがないじゃん。

考えれば考えるほど、英語の大切さが分からない。

頭の中がごちゃごちゃだ。

だから、私は寝る前に頭の中で強く願ったんだ。


あーあ、明日世界から英語が消えてたらいいのになあ。

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