第1章 英語なんて大嫌いっ!!!

カァカァカァ。

カラスが鳴く夕暮れの帰り道。

私は1人で歩いていた。

ハァァァ。

あるプリントを見つめて、私は大きなため息をつく。

あーあ、やっぱり嫌いだなぁ……。

私の名前は五十嵐花純いがらしかすみ

英語が大っ嫌いな中学2年生。

それ以外はどこにでもいる普通の子。

……えっ?なんでため息をついてたかって?

そんなの決まってるよ!

今日学校で返却された英語のテストの点数が悪かったからだよ!

昨日の夜、ついうっかりお母さんの前で「明日英語のテストが返ってくるんだ。」って言っちゃったんだよね。

絶対家に帰ったら、お母さんに怒られる!!

…………みんなはさ、英語が嫌いって思ったことない?

私はいつも思ってるよ!

だってさ、似たような単語がいっぱいあるし、過去形になったり受け身になったりしたらすぐに動詞の形が変わっちゃうし……。

めちゃくちゃ、ややこしいじゃん!

だから、英語なんて大っ嫌いなんだ!

……うん?もっと勉強したらいいじゃん、だって?

もちろん勉強してないわけじゃないよ?

これでも中1の時はもっとできてたし……。

でもさ、いつの間にか授業が進むにつれて英語が分からなくなって。

そしたら、勉強してもテストで点が取れなくなって、英語も嫌いになっちゃった。

今では私の周りで、私が英語嫌いなのを知らない人はいないくらい。

あーあ、ヤダヤダ。

なんで英語なんか勉強しなきゃダメなの?


……英語なんて、大っ嫌いだーーっ!!


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