監獄アニメ鑑賞部

Qruppo

第7話 非公式コメンタリー【小娘 / ほくろ / 椎茸】

;;●00:00~


【少女C】

「全国の変態懲役の皆さんシコんにちは~! 今日も元気にご安全ですか?」


【少女B】

「今回は特別企画、アニメ同時視聴鑑賞会」


【少女A】

「なんかよく知らないアニメ THE ANIMATIONの第7話を、我々3人でコメントしながら観ていきたいと思いますよ~……!」


【少女A】

「………………」

【少女B】

「………………」

【少女C】

「………………」


【少女A】

「誰……?」

【少女B】

「誰?」

【少女C】

「誰ぇ?」


【少女B】

「一体どういうことかしら? いきなり素性も知れない女どもと邂逅させられているのだけれど」


【少女C】

「うふふっ、というかここは一体どこなのでしょう?」


【少女A】

「というより、いきなり始まったこのアニメはなんなんですか……?」


【少女C】

「えーっとぉ? お二人はどういう経緯でこちらに?」


【少女B】

「私は売血に街まで出てきたら、痴女みたいな格好の目の細い女に『ちょっとしゃべるだけの良いバイトがある』と紹介されたわ」


【少女A】

「私も痴女みたいな格好の胸が大きい女性に『人前に立つお仕事がしたいなら、まずマイク前に立つべき』と勧められて……」


【少女B】

「そこの顔の薄い女。その制服、矢矧清澄でしょう? 全寮制のお嬢様がこんなところに来ていいのかしら?」


【少女C】

「諸事情で寄宿舎から追い出されてしまいまして。今日はどのお友達のお家に泊まろうかと考えていたら、同じく痴女のような格好の甘ったるい声のお姉さんに、ふふっ」


;;カンペ:お互いに自己紹介をお願いします


【少女B】

「嫌よ、誰とも知れない輩に名乗るほど安い名前ではないわ」


【少女C】

「私は構いませんよ? 減るもんじゃありませんし」


【少女A】

「私もちょっと怖いかも……これ形に残るんですよね?」


【少女C】

「では年齢だけでも開示します? おかっぱのお姉さんから」


【少女B】

「18歳、高校3年生よ」


【少女A】

「あ、15歳です……中学3年生……!」


【少女C】

「私は高等部2年生の17歳です。おいおい♪」


【少女A】

「………………」


【少女B】

「………………」


【少女C】

「………………」


;;間


【少女A】

「苦手だなぁ~」

【少女B】

「嫌いだわぁ~」

【少女C】

「うふふふぅ~」


【少女B】

「なんだかお前たちが生理的に受け付けないわ、なぜかは自分でも分からない」


【少女C】

「そうですかぁ? 私はこの3人なら楽しくおしゃべりできると思いますよ?」


【少女A】

「こういうの、あんまり思ったりしないんだけど……ちょっと苦手かも……」


【少女B】

「じゃあさっきからブースの外でカンペ出してる、病弱が服着て歩いてるみたいな美少女は?」


【少女A】

「あ、カンペ出ました。『将来声のお仕事がしたいので、今日は病院に無理を言ってディレクターをやらせてもらってます』だそうです」


【少女C】

「どんなご病気なんです? ……心臓病? あらそれは大変ですねぇ」


【少女B】

「あったかくして寝なさい」


【少女A】

「原始的な治療方法だなぁ……」


;;カンペ:お互いにあだ名をつけてください


【少女C】

「ほくろのお姉ちゃん♪」


【少女Bあらためほくろ】

「どうしたのかしら椎茸?」


【少女A】

「あ、じゃあ私は……?」


【ほくろ&椎茸】

「「外人」」


【少女Aあらため外人】

「私はハーフで……それに今日日、時代錯誤っていうか……っ」


【ほくろ】

「じゃあ小娘ね」


【椎茸】

「小娘ちゃんでけってーい!」


【外人あらため小娘】

「やっぱ苦手だなぁ……」


【ほくろ】

「とっとと次の台本を読みなさい小娘」


【小娘】

「だ、台本、えっと」


【椎茸】

「2ページ目の頭ですよ小娘ちゃん」


【小娘】

「すみません! えと『本日の配信版を観ながらコメントしていきます』!」


【椎茸】

「また本コメンタリーは非公式なものですので、あらかじめご了承くださいね?」


【小娘】

「非公式な鑑賞会に、私たちが選ばれた理由はなんなんですかね?」


【椎茸】

「それは確かに。面識のない3人というのも少し奇妙な感じがしますね?」


【ほくろ】

「定住しており犯罪歴がないとか?」


【小娘】

「顔面偏差値の高い人間をランダムに集めてきた? とかなんちゃって!」


【ほくろ】

「この小娘、妙に明くて元気ね」


【小娘】

「頑張って3人でおしゃべりして、このよく分からないアニメの視聴者さんを喜ばせましょう……!」


【椎茸】

「まだ挫折や世間の恐ろしさを知らないんでしょうねぇ。数年後には腐った瞳になりますよきっと」


【小娘】

「人間努力すれば夢はきっと叶う!!」


【ほくろ】

「鬱陶しいわ。黙らせなさい椎茸」


【椎茸】

「小娘ちゃんは元気に跳ね回って素敵ですねぇ」


【小娘】

「そうですか!?」


【椎茸】

「まるで鈴みたいですよぉ、りんりん♪」


【小娘】

「………………」


【ほくろ】

「あ、止まった」


【小娘】

「なんだろう……この二人としゃべってると、下腹辺りがチクチク痛む……」


【ほくろ】

「カ・ン・ペ」


【小娘】

「はい……『配信版はDMM TVとAnime festaで視聴することができます』」


【椎茸】

「みんなも配信版をチェックしながらコメンタリーを楽しもう♪」


【ほくろ】

「DMMってあれでしょう。知ってるわ。株やFXの」


【椎茸】

「エッチなやつですねぇ!」

【小娘】

「エッチなやつですよね……!」


【ほくろ】

「………………」


【ほくろ】

「…………は? 私が間違ってるの?」


;;カンペ:エッチなのはFANZAです


【ほくろ】

「そら見なさい、DMMはエッチじゃないわよ」


【椎茸】

「パチンコ事業もチンコが付いてるからエッチなのでは?」


【小娘】

「というかこの作品が見れている時点でエッチなのでは……?」


【ほくろ】

「………………」


【ほくろ】

「殺すわよ」


【小娘】

「自説のためなら他人を殺すタイプの人だ……」


【椎茸】

「こういう人が天動説を支持してきたんでしょうねぇ」


【ほくろ】

「というわけで、本日はこの3名でお送りするわ。やったりましょう」


【椎茸】

「やったりまっしょ~!」

【小娘】

「やったりましょうっ!」



;;●02:30~


【小娘】

「それでは、Aパートスタートです!」


【椎茸】

「アニメ本編が始まりましたねぇ~」


【ほくろ】

「ええ、状況を端的に説明すると……」


【ほくろ】

「よく知らない男が、よく知らない女たちに、なんか新しい服をもらったと自慢しているわ」


【小娘】

「………………」

【ほくろ】

「………………」

【椎茸】

「………………」


【小娘】

「どういうこと……?」

【ほくろ】

「どういうこと……?」

【椎茸】

「どういうことぉ……?」


【小娘】

「画面で何が起こってるかさっぱり分からない……」


【椎茸】

「アニメを7話からいきなり見始めるって無謀ですねぇ、あははっ」


【ほくろ】

「知らない年下の男がはしゃいでるの見て、どうコメントしろって言うの?」


【椎茸】

「カンペが出ました。『主人公が情報を得るため敵組織に潜入。ようやく試験に合格した』って状況だそうですよ?」


【ほくろ】

「あらそ。よかったわね」


【小娘】

「そこまで主人公に興味がないこと、ある……?」


【椎茸】

「努力は報われる、報われますよぉ~」


【小娘】

「化粧しながらコメンタリーを……?」


【椎茸】

「最近すこし練習をしておりまして。ちょっと化粧直しをね?」


【小娘】

「目元に切開ライン足すのがちょっとした直し……?」


【ほくろ】

「暗室育ちのお嬢様もそんなことするのねぇ? 水で軽く洗うくらいにしておいたら? その菌床からもっとキノコが採れるわよ」


【椎茸】

「ではお嬢様らしく、良き隣人にこの日焼け止めを差し上げますわ。だってほくろは、ふふっ、紫外線で増えるって言いますものね?」


【小娘】

「なんでこんな喧嘩腰なんだろう二人とも……」


;;カンペ:ちゃんとトークしないとお給料出ませんよ


【小娘】

「ほら、ディレクターのお姉さんが泣きそうな顔してますからしゃべりましょうよ……!」


【ほくろ】

「あら、小綺麗な顔してなかなかエグいやり口じゃない。殺すわよ」


【椎茸】

「もう死にかけてるのにあははっ」


【小娘】

「しゃべらせないほうがマシかもしれない……」



;;●04:26~


【ほくろ】

「じゃあ適当にコメントしようかしら」


【椎茸】

「あら? 向かって左後ろに並んでいる子たち、姉妹でしょうか?」


【小娘】

「あ、たしかに顔似てますねぇ。そういえば私にも妹がいるんですけど……!」


;;●04:43~


【椎茸】

「なにか大仰なものが運ばれてきましたね?」


【小娘】

「遮られた……」


【椎茸】

「まぁ大変、画面にたくさん修正が入っていますよぉ……!」


【ほくろ】

「配信版もかなり頑張っていると聞いていたけれど、それなりに規制が入るのね」


【椎茸】

「これは豪華特典が満載のよく分かんないアニメ THE ANIMATIONのBD上巻(11月発売)を予約・購入して規制なし版をチェックするしかありませんねぇ!」


【ほくろ】

「ええ、併せて豪華特典が満載のよく分かんないアニメ THE ANIMATIONのBD下巻(12月発売)も予約・購入する以外に他ないわね」


【小娘】

「言わされて、るんですか……?」


;;カンペ:なし


【小娘】

「いや、カンペは出てない……!!」


【ほくろ】

「愚かねぇ小娘、こういう時に適切な仕事ができるかが給金を変えるのよ」


【小娘】

「そうか……すごく偉そうな態度を取っていても、社会の歯車なんだこの人……!」


【ほくろ】

「そこは発想の違いね。私は良い仕事をすることで、より多くの金を奪い取っているの。決して媚びへつらっているわけではないわ」


【椎茸】

「残念ながらまだ18歳ですから、とれる手段も少ないですものね?」


【ほくろ】

「けれど、いずれは使う側に回るつもりよ。その時にはこんなものの宣伝をさせた報いを受けさせてやるわ」


【小娘】

「こんなものの宣伝を、あそこまでつらつらと……」


【小娘】

「とりあえず話を戻しますけど、これってなんなんですか?」


【椎茸】

「あらぁ!? 小娘ちゃん本当に分からないんです?」


【小娘】

「えっと、なんかみんな驚いてますけど……?」


【椎茸】

「あははっ、そんな大きな図体しておいて……! 知識は追いついてないんですねぇ!?」


【小娘】

「えぇなんかめっちゃ笑ってるこの人……」


【ほくろ】

「そんなだと金いっぱいもらえないわよ」


【小娘】

「この人は金金うるさいな……」


【椎茸】

「ではそんな迷える小娘ちゃんを導いて差し上げましょう、さぁ胸に手を当てて……?」


【小娘】

「胸に手、はい」


【椎茸】

「さぁリラックスして、想像の羽を広げて……」


【小娘】

「すぅ~……はあぁ……」


【椎茸】

「みんなが大好き、匂いがする、触れば指がしっとり……もうヒントは出ている、そうでしょう?」


【小娘】

「女の人が、喜ぶ、匂いの出るもの……」


【椎茸】

「さぁ、ここにあるものは……?」


【小娘】

「分かった! アロマディ」


【椎茸】

「残念!!! チンポでぇえええええす!!!」

【小娘】

「ああああ鼓膜が破けるぅうううううう!!!」


【ほくろ】

「どこまで愚かなの? この影、シルエットを見ればこれが男性器であることは明白でしょう?」


【小娘】

「いやだって……! チンっ、なんて、見たことないし……! ほくろさんは見たことあるんですか?」


【ほくろ】

「私を誰だと思っているのよ。もちろんあるに決まっているでしょう」



【ほくろ】

「2回くらい、見たことあるわ」


【小娘】

「………………」


【ほくろ】

「………………」


【小娘】

「2回……」


【ほくろ】

「3回だったかな」


【小娘】

「そうなんだ……」


【椎茸】

「私は教科書で勉強しましたよぉ」


【小娘】

「私が知らないだけなのかな……」


【椎茸】

「無知ンポ晒して可愛いですね、小娘ちゃん♡」


【小娘】

「そういう言葉もあるのかな……」



;;●08:45~


【ほくろ】

「そんな話をしていたら、学校から出て島を散歩しはじめたわね」


【椎茸】

「わぁ姫瑠ちゃんみたいな人がいっぱい」


【小娘】

「誰ですか?」


【椎茸】

「なんでもありませんよぉ」


【ほくろ】

「心当たりがないのになんだか不思議と懐かしい気持ちになる名前ね。胸のあたりがツーンとするわ」


【小娘】

「あんまり誰かを想ってなる感情じゃない気がする……」


【ほくろ】

「しかし、ここがかの有名な島なのね。ちゃんと見るのは初めてだわ」


【小娘】

「ほくろさん知ってるんですか?」


【ほくろ】

「アレでしょう? なんか倫理観終わってる日本の恥部」


【椎茸】

「うふふっ、恥部とは言い得て妙ですねぇ」


【小娘】

「ネットで見たことありますけど、人が殺到してて入島制限がかかる予定じゃありませんっけ?」


【椎茸】

「恥部に乳頭がかかるふふふふふっ」


【小娘】

「なんだろう、ずっと怖いんだよなこの人……」


【ほくろ】

「眼も椎茸だしね」


【椎茸】

「食べます? はいどうぞ」


【小娘】

「取れるの!?」


【椎茸】

「つけダレどれががいいですかー?」


【小娘】

「続けられるんだ……」


【ほくろ】

「続けられるようね」


【椎茸】

「あ、ごめんなさいこれ○○ポンでしたぁ!」


【小娘】

「あじポン、でしょ?」


【椎茸】

「間違えちゃった♪」


【小娘】

「間違えちゃえるんだ」


【ほくろ】

「真夏の映像を見ながら鍋というのもオツなものね」


【小娘】

「ブース内って火気OKなのかなぁ」


【ほくろ】

「あ、私牡蠣ダメよ。むかし当たったことあるから」


【椎茸】

「マスかきはOKなのに、うふふっ」


【小娘】

「うふふっ、じゃないですが」


【椎茸】

「さぁ召し上がれ~」


【ほくろ】

「嘘でしょう……?」


【小娘】

「なんかヤバいものでも入ってました――!?」


【ほくろ】

「この椎茸、信じられないくらい深い味がするわ……」


【小娘】

「そんなこと、ある……?」


【ほくろ】

「はふっ、はふっ! ふん、まぁ及第点ね、この私の口に合うことを光栄に思いなさい」


【小娘】

「その態度の人あんま『はふっ! はふっ!』って言わないと思う……」


【椎茸】

「普段まともに食べてないとこんなものでも美味しく感じるのかもしれませんねぇ」


【小娘】

「産地の人にそう言われるの複雑だなぁ……」


【椎茸】

「はふっ、はふっ! おいしぃぃいいいい~~~!!」


【小娘】

「こういうのも地産地消って言うのかな……?」




【小娘】

「いや、言わないかな…………」


【ほくろ】

「Aパート終了ね」



;;●10:58~


【椎茸】

「続きまして、Bパートです♡」


【小娘】

「ぜんぜん画面見てなかったですけど、今どうなってるんでしたっけ……」


;;カンペ:主人公が敵のリーダーと接触、敵組織に愛着を持ちはじめました。


【ほくろ】

「ってことらしいわよ、一貫性のない男は見ていて醜いわね」


【小娘】

「えーっと、こっちが本来の味方側? なんですよね? いい人たちサイド?」


【椎茸】

「条例を壊そうとしているなら、悪人サイドかもしれませんよぉ? ふふっ、そういった二元論で語れるかは分かりませんが」


【ほくろ】

「……この変な髪の色の小娘」


【小娘】

「この子ですか?」


【椎茸】

「ああ、着物姿の?」


【ほくろ】

「なにか、変な感じがするわ……とくに、眼が」


【小娘】

「たしかに変わった色ですけど、眼……?」


【ほくろ】

「気持ち悪い、苛立つ、腹立たしい」


【椎茸】

「更年期の症状?」


【ほくろ】

「ついでにムカムカする」


【小娘】

「あったかくして寝てほしい……」


【椎茸】

「眼は分かりませんが、私も少し奇妙な感覚がしますね。とくに所作が……あぁなるほど! 行衛の、あははっ! そういうことですねぇ!」


【小娘】

「えぇ、なんかずっと怖いよぉ~……」



;;●12:21~


【椎茸】

「そして主人公くんは生徒会長さんに呼ばれ、敵組織の寮までやってきましたぁ!」


【ほくろ】

「良い家に住んでるじゃない、血税で」


【小娘】

「警官がコンビニ寄るだけで激怒するタイプの人……?」


【ほくろ】

「カーテンなんて代わりに新聞紙張っとけばいいのよ」


【椎茸】

「単純にお金持ちが嫌いなだけかも?」


【小娘】

「言うほどお金持ちかな、カーテン……」


【ほくろ】

「やはり税金を給料にするような奴にろくな輩はいないわね」


【小娘】

「なんだろう、絶対に近い将来我が身に返ってくる気がする……なにも根拠はないのに……」



;;●13:00~


【ほくろ】

「立ったままぶっとい三つ編みあんでるわね」


【椎茸】

「器用ですねぇ。小娘ちゃんできます? 同じ三つ編みですけれど」


【小娘】

「どうかなぁ~……! 私もこの長さはないから」


【ほくろ】

「イモ臭いわよそれ」


【小娘】

「セーラー服のおかっぱに言われた……!」


【ほくろ】

「は? うちは校則が厳しいのよ。それは好きでやっているのでしょう?」


【小娘】

「これは、受けたい学校が、三つ編みが伝統だってネットで見て……!」


【椎茸】

「受けたい学校? 三つ編みというと、もしや七ヶ浜ですか?」


【ほくろ】

「東の宝塚と言われているところでしょう? お前歌上手いの?」


【椎茸】

「ちょっと歌ってみてくださいな?」


【小娘】

「え? いや、私が行きたいのは被服科で……!」


【椎茸】

「エンジニアさん、エコーお願いしますねぇ~」


【ほくろ】

「はい3、2、1、キュー」


【小娘】

「っ、~~~~~♪」


【ほくろ】

「………………」


【椎茸】

「………………」


【小娘】

「え…………?」


【ほくろ】

「なんというか、お前……そのド派手な外見に対して……」


【椎茸】

「ふっっっっつうですねぇあはははっ!!」


【小娘】

「歌わせといてめっちゃ笑ってくるじゃん……」


【ほくろ】

「驚くほど上手くも、笑えるほど下手でもない……」


【椎茸】

「声は良いのにぃ! 普通ぅ~~~~!!!」


【小娘】

「普通って言われるの嫌なんですよ! あぁもう! 帰ったら絶対歌練習する……!」



;;●13:34~


【ほくろ】

「しかし知らないキャラがこれでもかって出てくるわね」


【小娘】

「これ一般的な視聴者は追いきれているんでしょうか……」


【ほくろ】

「こんな作品に一般的な視聴者なんてものが存在するの?」


【椎茸】

「ジュリーン!!」


【小娘】

「なんの音……?」


【ほくろ】

「新しい椎茸が生えた音じゃない」


【椎茸】

「覚えられないならさっ! 女の子に点数つけて遊んじゃおっ!」


【小娘】

「バカな男子中学生……?」


【ほくろ】

「0点、0点、0点」


【小娘】

「クソの男子高校生……?」


【ほくろ】

「どれも私の役に立つ駒にはならなそうな人間だもの。そんな連中、いてもいなくても同じことよ。不合格」


【椎茸】

「私はそうは思いませんよ? 人間はたくさんいたほうが楽しいではありませんか。ふふふっ」


【ほくろ】

「つくづく気が合わないわね、お前」



;;●14:21~


【小娘】

「みんな楽しそうだけど、こういう一発芸とかやらなきゃいけない職場は嫌だなぁ~……」


【椎茸】

「ですねぇ」


【ほくろ】

「はぁ、甘いことを抜かす小娘どもね。いつか私たちもセンスのない上司にクソみたいなギャグをやらされる日が来ないとも限らないのよ」


【小娘】

「いきなり歌わせるとか……?」


【ほくろ】

「先んじて社会経験が積めてよかったわね」


【小娘】

「じゃあほくろさんも一発芸あるんですか?」


【ほくろ】

「は? 当然あるに決まってるでしょう。私を誰だと思ってるの?」


【小娘】

「一発芸持ってることをその態度で誇れるんだ……」


【椎茸】

「ちなみに? いま準備しているのだと?」


【ほくろ】

「ブンブンッ! どうも、ハズキンです」


【椎茸】

「あはははは!!!」


【小娘】

「ウケてる……!」


【ほくろ】

「こういう時に笑い袋がいると助かるわ」


【椎茸】

「クソしょうもねぇ~!!!!」


【ほくろ】

「轢き殺すわよクソガキ」


【小娘】

「厳密な敬語キャラじゃないんだ……」


【椎茸】

「うふふっ、受け身練習しとこっと♪」


【小娘】

「無敵、なの?」


【ほくろ】

「っ、待ちなさい椎茸小娘!!」


【小娘】

「ひとりの人間みたいになった……」


;;●15:26~


【ほくろ】

「今の女」


【小娘】

「この子ですか?」


【椎茸】

「左のぼーっとしてる? 三つ編みおさげの?」


【ほくろ】

「………………」


【小娘】

「………………」


【椎茸】

「………………」


【ほくろ】

「……ふぅん、合格よ」


【小娘】

「どれのなんのなに……?」


【ほくろ】

「いい目をしているわ、立ち姿が綺麗、なにか奥底に秘めている。まぁギリギリ合格点と言ったところかしら」


【小娘】

「本当にどういうこと……?」


【椎茸】

「はいそんな合格者ちゃんとただいま電話が繋がっております♪」


【小娘】

「なんで……?」


【ほくろ】

「ふん、貸しなさい」


【ほくろ】

「合格よ。……なにが? 馬鹿ね、お前そんなことも分からないの? 私が合格と言えば合格なのよ。いい? 今後も励みなさい。以上よ」


【小娘】

「その子、なんて?」


【椎茸】

「過呼吸になるくらい喜んでます」


【小娘】

「……………………」



【小娘】

「全体的に、なんで…………?」



;;●16:27~


【ほくろ】

「不幸自慢大会がはじまったわ。くだらない」


【小娘】

「そういう言い方よくないと思いますけど……!」


【椎茸】

「ああ! 皆さんなんて不幸そうなのでしょう……! 私が早く救って差し上げませんと」


【ほくろ】

「そのわりには良いもの食べてそうよね。この子たち、全体的に線が分厚いと思わない?」


【小娘】

「こういう仕事って一定のふくよかさが求められるんでしょうか……?」


【椎茸】

「というか、ほくろのお姉ちゃんが細すぎるだけではありません?」


【小娘】

「それはたしかに、ちゃんと食べてます?」


【ほくろ】

「食べてるわよ」


【椎茸】

「乳酸菌とってるぅ?」


【小娘】

「乳酸菌には荷が勝ちすぎてるんじゃ……」


【ほくろ】

「たまにグミとか買って食べてるし」


【小娘】

「なんて可愛いチョイスを……」


【ほくろ】

「咬合力を高めているのよ」


【小娘】

「強くなるためのグミなんだ……」


【ほくろ】

「それに胸はお前たちより大きいわよ」


【小娘】

「私たちはまだまだ成長期ですから……!」


【椎茸】

「ねぇ~?」


【ほくろ】

「お前はこれ以上大きくならないでしょう椎茸? 立派にカサが開いて」


【椎茸】

「うふふ。じゃあ比べてみます? 小娘ちゃん」


【小娘】

「うわぁ腕見てください。もう太さから私と全然違う……!」


【椎茸】

「ほっっそぉ~い! あ、けど見てください、私はあんまり変わりませんね?」


【ほくろ】

「やめなさい鬱陶しいわね、べたべたされるのは嫌いなのよ……!」


【椎茸】

「これなら私たち二人がかりでも、小娘ちゃんにはボコボコにされちゃうかもですねぇ!」


;;間


【小娘】

「…………そっか」


【小娘】

「私が本気出せば、この二人くらい簡単にぶちのめせるんだ……!」


【ほくろ】

「危険な思想に目覚めてない?」


【小娘】

「証拠さえ残さなければ……!」


【椎茸】

「レコーディング中ですよー」


【ほくろ】

「ずいぶんと血気盛んじゃない。グミで鍛えている私に勝てるとでも?」


;;間


【小娘】

「…………ふふっ」


【ほくろ】

「殴るわよお前」


【小娘】

「届けば、ね?」


【椎茸】

「暴力に伴う痛みをまだ知らないんですねぇ、若いせいでしょうか?」


【ほくろ】

「お前が生み出した化け物よ、なんとかなさい椎茸」


【椎茸】

「あはははははっ」


【ほくろ】

「ちょくちょく笑って誤魔化してない……?」


【椎茸】

「鍋のシメは雑炊とおうどんどっちがいいですかぁ?」


【ほくろ】

「まだ鍋がある設定で続いていたのね……」


【小娘】

「醤油ベースのラーメンで! 否定する人はぶん殴ります!!」


【ほくろ】

「やはり腕っぷし担当の駒を見つけておいたほうが懸命ね……どこかにいないかしら、私に忠実で人をぶん殴るのが得意な輩は」



;;●19:19~


【小娘】

「はふはふ……あ、なんか話すすんでまふね」


【椎茸】

「どうやら……ずるるっ、性人式にまぎれてナントカさんをよく分からない人に引き渡すつもりようですねぇ」


【ほくろ】

「ズルズルッ……へぇ、大変そうね」


【小娘】

「女王様のなんて言いました?」


【椎茸】

「ペニバン逆アナル」


【ほくろ】

「ズルルルッ、え? 呼んだ?」


【小娘】

「どっちに反応したのかな……」


;;間


【小娘】

「いやどっちに反応しててもおかしいか……」


【ほくろ】

「あ、汁跳ねた。卒業したらハメルカリで金に変える予定だったのに」


【椎茸】

「お友達に制服フェチの大人が何人かいますから、高く売って差し上げましょうか?」


【ほくろ】

「随分いい趣味じゃない、箱入りお嬢様のくせに? この私が着たってこと以外に付加価値がつけられるかしら?」


【椎茸】

「えぇもちろん、この世には高飛車な女子高生の汚れたセーラー服を食べることでしか興奮できない好事家がたくさんいますからぁ」


【ほくろ】

「………………」


【椎茸】

「あははっ! 女王様には刺激が強すぎましたかぁ? ごめんなさいね? 怖がらせるつもりはなかったんですよ?」


【ほくろ】

「別に。私もグミとか食べるし」


【小娘】

「グミと汚れたセーラー服って同列で扱える……?」


【椎茸】

「小娘ちゃんもそのブレザー売ります?」


【小娘】

「私のは妹にあげるつもりなので、同じ学校通わないかもしれないですけど……椎茸さんもあんまり変な人たちと関わらないほうがいいですよ……?」


【椎茸】

「あはははっ! 私は皆さんが幸せになるお手伝いをしてるだけですよぉ」


【ほくろ】

「そうやって家の庇護が及ばない場所で刺激を受けないと、退屈で生きている実感が湧かないのかしら? だからこの仕事も引き受けたとか?」


【椎茸】

「………………」


【小娘】

「すごい真顔だ……!」


【ほくろ】

「そっちのお顔のほうが素敵よ、矢矧清澄のお嬢さん。どうもご馳走様」


【椎茸】

「ふふっ、お粗末様でしたぁ」



;;●20:05~


【ほくろ】

「なに、拳銃持ってるのコイツら?」


;;カンペ:ライオットガン、殺傷能力のない暴徒鎮圧弾です


【小娘】

「暴徒鎮圧弾、そんな物騒なものどこで作ってるんでしょうか……」


【椎茸】

「たしか那森系の企業の一つが製造していた気がしますが、分かりませんねぇ。なにせ門外漢なものですから」


【ほくろ】

「というより私、このアニメ見ていてずっと思っていることがあるわ」


【小娘】

「え? なんですか?」


【椎茸】

「あ、こんな条例ふつう施行されないだろっていう100万回聞いたやつ?」


【ほくろ】

「違うわ。それもあるけれど、まぁいいわよ。寛大な心で見逃してやってもいい。それよりも」


;;間


【ほくろ】

「コイツら、なんか強すぎない?」


【小娘】

「………………」

【椎茸】

「………………」


【小娘】

「確かに……?」

【椎茸】

「確かにぃ……」


【ほくろ】

「私たちとそんな歳変わらないのよね? 訓練しているのは分かるけれど、それにしたって強くない?」


【小娘】

「けど、ひとつのことに打ち込んでたらこれくらい……」


【ほくろ】

「じゃあお前ある? 学生生活に真剣で鍔迫り合いしたこと?」


【小娘】

「ないですけど……」


【椎茸】

「あらまぁ……」


【ほくろ】

「まぁそれもいいわ。戦闘部隊の話でしょう? 実はね私、さっき放送分は鑑賞したのよ。あっちの部屋で、なんていうのかしら」


【椎茸】

「あぁあのボタン押すとジュース運んできてくれる!」


【小娘】

「打ち合わせ室?」


【ほくろ】

「それよ。金のためだし、いちおう軽くチェックしておこうと」


【小娘】

「口と性格は悪いけど仕事はキッチリとするタイプだ……」


【ほくろ】

「この島ね、全体的に運動神経がすごいのよ。1話とか金髪の小娘が空飛んでたわ」


【小娘】

「それはたまたま運動能力が高い金髪だったんじゃ……」


【ほくろ】

「じゃあお前ある? 学生時代に宙返りしながら生徒の頭飛び越えたこと?」


【小娘】

「ないですけど……私も金髪ですけど……」


【椎茸】

「性行為を繰り返していると、戦闘能力が高くなるとか?」


【ほくろ】

「脳のリミッターが壊れてなにかしら運動能力がバグるとか」


【小娘】

「えー、けどそうですか? そんなに強そうに見えます?」


【椎茸】

「おやおや?」


【小娘】

「私、正直そんな負ける気しないですけど……!!」


【ほくろ】

「えい」


【小娘】

「いたっ! ちょっと! 杖で叩くのっ、やめてもらっていいですか!?」


【ほくろ】

「ちゃんと躾けておかないと、ぶちのめされるかもしれないでしょう。えい」


【椎茸】

「私もやっちゃお~! えいえいっ」


【小娘】

「やめてっ、いたい! 分かりました、やりませんっ、私にはできませんから……!!」



;;●22:25~


【椎茸】

「さて! そろそろスライダーも残り僅か、そろそろオジャンの時間が近づいて参りましたぁ」


;;カンペ:皆さんの感想お願いします


【小娘】

「えー……ふたりとも、感想とかありますか?」


【ほくろ】

「とくにないわ。私に関係のない人間が飛び回ってた、それだけよ」


【椎茸】

「とても興味深かったですねぇ! 果たして重太郎くんはナナフシさんと協力して冷笑院二十日さんを倒せるのか、今後も注目です」


【小娘】

「ふたりともまったく見てなかったってこと……?」


【ほくろ】

「スタッフロールが出てるけど、このまま終了なのよね?」


【小娘】

「今回はEDスキップだって、台本には書いてありますね」


【ほくろ】

「へぇ」


【小娘】

「気を抜くのが早いなぁ……」


;;●22:53~


【椎茸】

「あらあら、主人公くん、最後の最後で裏切ることができませんでしたぁ~」


【小娘】

「やっぱり胸にきますねぇ~こういうの……! 敵の心情を知ってしまった故のというか、気持ちが分かるからぐっと刺さるというか……!」


【ほくろ】

「やっと面白くなってきたわね!!」


【小娘】

「もう終わるのに……?」


【ほくろ】

「無様に泣いてるわぁはははっ……!!」


【小娘】

「今日一番の笑顔だ……」


【ほくろ】

「いい気味ねぇ……!」


【小娘】

「なんか耳障りの悪い言葉……」


【椎茸】

「ではそれではお時間です♡」


【小娘】

「あっお相手は小娘と!」


【ほくろ】

「ほくろと」


【椎茸】

「椎茸でしたぁ! 皆様の未来に、どうか幸多からんことを。せーの」



【小娘】

「ご安全にー!」

【ほくろ】

「ご安全に」

【椎茸】

「ご安全に~」

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監獄アニメ鑑賞部 Qruppo @Qruppo

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