511号室―早乙女
「なんでこんな時間に―――」
ヒュ、と喉がひきつる。ドアが何かに突っかかったような気がして覗き込むと、女が血を流して死んでいた。
だが問題はそこではない。目の前には包丁を持った男がいる。目深にフードを被っていて顔は見えず、うずくまって何かを拾い上げている。
「……ぁ、それ……」
俺が捨てたはずの鍵と漫画だ。近くに転がっているのは、椅子の脚だろうか。
―――なんで、なんでこの女が持っている。ちゃんと捨てたはずだ、誰にもバレないよう。
俺が動揺しているのを知ってか知らずか、男は立ち上がる。その動作によってフードが取れるのを見て、俺は咄嗟に後ろのドアノブを捻った。
ガチャ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます