第3話 まぁだからこのゾンビ化を分かりやすく言うと生前のLvに+2してからゾンビって種族に変更するみたいなもんって事

クソガキをぶち殺した後、俺は助けた中等部の女子生徒を連れて中等部校舎を探索している。


「それで?小夜は何処にいるんだ?」


「はい、案内しますね·····あ、改めて助けてくれてありがとうございます。えっと竜崎·····先輩?でいいんですよね。私は柊美結ひいらぎ みゆって言います」


「ッスーーーーー·····おう、柊美結な。俺は竜崎刃更だよろしく美結」

既視感がわかった。コイツ、ゾンビパニックの方のメインヒロインの1人だわ。たしかパッケージにいた。見た時はイラストだったし、多分この後それなりの地獄を経験して人相が変わった後だろうからな気が付かなかったわ。たしかアーチェリー部だったかな?ますます良い拾いもんだった。情けは人の為ならず、真理だな!その俺の様子に少し不思議そうに美結は返事をするのだった。



「?はい、よろしくお願いします。それで、小夜ちゃんなんですけど·····」


美結がそう口を開いたとき、ドンッと廊下の先にある教室の扉が外れて大きな音を立てた。美結に素早く下がっていろと指示を出しとりあえず身を屈めて角から様子を伺った。流石の俺も廊下ミチミチのゾンビを一撃も貰わずに殺しきるとかはだいぶ厳しいからな。出来ないとは言わ無いけどやらなくていいならやらない。


数は·····ひぃふぅみぃ·····6かまぁ問題無いな。

ゾンビ共は特に何かをめざしていたという事も無さそうでフラフラと廊下を徘徊し始めた。恐らく閉じ込められてたんだろうな·····フム、押し引き程度の単純動作も考える事が出来ないくらい今は知能は低い·····か。とりあえずウロチョロされてても面倒なのでサクッと駆除する事とする。ゆくゆくはこの学校改造して拠点にしたいと思ってるため出来るだけコツコツ駆除しておきたい。


「ってな訳で後ろに気をつけながら隠れてな美結。後ろからゾンビが来たら大丈夫だから大人しく俺に擦り付けるんだぞ」


「分かりました·····すみませんお役に立てなくて·····弓があれば援護くらいは出来たんですけど」


そう申し訳なしそうな美結。そうか、美結はアーチェリー部なのか。たしかウチのアーチェリー部には、珍しくコンパウンドボウがあったはずだ。誰かに確保される前に手に入れておきたいな。


「気にすんなよ、どうせ後で嫌でも働いてもらうさ·····けどそうだな出来るだけ早く弓は確保したいな。小夜とあったら職員室に鍵取りに行くかねとりあえずサクッとシバいてくるわ」


「はい。気を付けてください」


さて·····害虫駆除と行こうかね。


走り出し、先ずは1番手前に居るゾンビの顎を掌底ですくい上げて壁に叩きつけ頭を破裂させる。音に気づいて近寄ってくるゾンビ共。ローキックで脚をへし折り、頭へサッカーゴールキックをぶちかまして頚椎を90度に曲げる。


「動きがのろいウチは脅威にはならねぇな。数揃えられたら話は変わるだろうが·····おっと、それはNG。美少女に産まれ直してからにしてくれよなッ!!!」


覆いかぶさろうとするゾンビをそのまま一本背いをかける。当然受け身なんて上等な事は奴らには出来ないため地面に頭蓋が直撃し脳漿をぶちまける。トロリとした血液と脳髄が混ざった液体が足元に広がりそれが俺の心のどす黒い部分を快楽で揺する。んっんー暴力ってのはやっぱり最高だな血で血を洗い流してお互いの存在の削り合う様な殺し合いってのも大好きだが、やっぱり圧倒的な力で上から相手を屈服させるような、一方的な暴力がいちばん気持ちがいい。美味いものをたらふく食っていい女と飽きるまでセックスして気に入らない奴は嬲ってぶち殺す。そんな獣の様に己の気のままに振る舞うこれ以上の快楽が存在するか?そんな物はありえないね!


「フォウ!!!!!まだまだ行くぞォ!!!」


テンションの上がった俺はゾンビ共へ一気に加速し壁を蹴り三角跳び頭を目掛けて踵を振り下ろす!さらに首がひしゃげたその死体を足蹴にローリングソバットを決める!!丸太のような脚が纏めて2匹を薙ぎ払う。1匹は首から窓ガラスに突っ込んで硝子で首を切断され即死、もう1匹は倒れ込んだ場所にある防災ハシゴの入れ物に頭をぶつけて沈黙した。


「ラストォ!!」


最後のゾンビに拳を叩き込む!が、そのゾンビは腕を前に構えて·····なんだアレ?まるで·····ボクシング?


「竜崎先輩!」


美結が異変に気付き叫ぶそれと同時にゾンビはタンタンとリズム良くステップを踏みながらこちらを殴りつけて来た!?


「ヴォ·····ァア!!」


「ッと!?キレのいいの打つじゃねぇかよ」


寸での所で半歩身を引き躱す。その後もそのゾンビはワン・ツー、ストレートとコンビネーション確実にキレのある動きで拳を振るってくる。だが最初は混乱したものの目が慣れればなんと言うことはない


「お前、ボクシングの決まった動きが出来るだけだな???」


「ヴォォオ·····シッ!!」


「所詮その程度か·····っよ!!!」


ここに来てまたワン・ツーからのストレートが飛んできたのでそのままカウンターを合わせてフィニッシュ。生前の経験が生きてて拳や動きにキレがあるだけで所詮死体の反復運動だったな。ぶん殴った拍子に服から落ちた生徒手帳を見たが、コイツたしかジュニアボクシングの大会で優勝してたガキだな。ふむ?つまり成り立てのゾンビでも生前の無意識下レベルまで刷り込まれた動作なんかは可能だったわけだ。ただ戦術的な技の組み立てなんかは不可能だと·····ならまぁ一般人にはともかく俺には現状で脅威になることは殺人術を無意識レベルで身体に刷り込んだキリングマシーンゾンビに不意打ちとかされない限り問題無いって訳だ。


「先輩!大丈夫ですか?お怪我はありませんか?さっきのゾンビの動き変だったから心配で·····」


「問題ねーよありがとな」


片付いたところで美結が駆け寄って身体をぺたぺた触って怪我が無いか確かめてきた。可愛らしかったんで頭を撫でてやると少し恥ずかしげに頬を染めつつも受け入れて撫でられる。イケメンだから出来ることだな!艶やかでさらさらな髪の手触りを感じつつ小夜は結局どこに行ったんだろうな·····とぼんやり考えていたら



「あーーーー!!!浮気してるーーー!!!!」


っとクソでかい声が廊下に響き渡った。健康的な小麦色の肌に体育の半ズボンをが少し見える色気のいの字もねぇ様なスカートを履いたくせっ毛ウルフで165cm程度の彼女。見た目はザ・スポーティー後輩といった風体だが中身は人をいたぶって弱いものいじめ後だいすきな殺人鬼予備軍のセフレ、日向小夜ひゅうがさよがそこに立っていた。


·····つか廊下で叫ぶなよ。あーあ、ゾンビが溢れてきたよ。手伝わないからな俺。

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NTR系エロゲの竿役に転生したと思ってたら、同じ制作会社から出てるif世界線のゾンビパンデミックの方でした 懐紙 @Dmc666

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