「ひかる卵」短歌6首【短歌賞1首部門 応募作品】

@hashiru_

ひかる卵

十日だけ孵した卵は淡く消え訪れなかった十月を思う


「はい、これが心拍ですよ」胎内に宿る光が静かに脈打つ


まだ土を知らぬあんよは綿雲に揺られていつか踏む地を夢見る


息子抱く腕の時計を止めてみる いついつまでもわたしの赤ちゃん


おさなごの頬を打たれて我が子とは剥き出しで歩く心臓と知る


二歳児は変わる世界をたしかめる 右のブランコ 左のブランコ

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