悪化

日暮憂来

悪化

朝晩の食事に散歩自分より規則正しい隣家の犬たち


読み終えた暗い結末思い出し沈む心で十日過ごす


用心で増えた荷物あふれる鞄肩に食い込む安心感


ひび割れて皮が剥けても痛んでも洗わずにはいられない両手


笑い声聞こえ思わず隅に寄りほこりを払い人心地つく


道を行くすれ違いざま合う視線もう外せなくなったサングラス


晴れ渡る空降り注ぐ日の光照らし出される恥とみじめさ


思い立ちカーテンの隙間窓を開けようやく外気に触れた夕暮れ


暗闇に感じる気配一人きり虫の声を頼りに眠る


いつからか鏡に映るたび変わる自分の顔見知らぬ誰か


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悪化 日暮憂来 @mou6GG

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