ロッシュ限界

山本華蓮

ロッシュ限界

殻やぶり生まれなかったきみを混ぜマーブルになるぼくのこころが


ぼくたちが知っていることと知らぬこと くりぃむ色の教室にいる


誠実を求めすぎないということ 美夏(みいな)に数学を教えること


魂の吹きさらされていた夏をぼくら必死に聴いていたよね


身体を奪われてしまう教室で抱擁にもにた無視をしあった


朝シャンを浴びたがる子のようにぼく 制服を浜辺で脱ぎ去った


相応しくあろうとする女性(ひと)の手をとり 刹那的な夢を 期待を


生身ではない役割を抱きしめて 上手でなくても死なないでと


潮汐のように二人生きてゆくロッシュ限界砕けてもいい


じぶんではきれいになれぬ海にいた きれいな海できみと会えたら

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ロッシュ限界 山本華蓮 @kielo

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