遺書

すごく独特な文体の作品です。全くもって個人的な印象ですが、中村文則や安部公房の作品を読んだ時のような印象を受けました。カフカかもしれないとか思ったり。(全然違かったらごめんなさい。)

なんというか、存在の不確かさ、他者との断絶、自我の分裂といった主題が、独白的で濃密な文体で深く掘り下げられているように感じたのです。

「パネル」という比喩は、カフカ的な不条理の中に現代的孤独を閉じ込めた秀逸な装置のように感じました。この存在は、この作品を引き立てるのに、すごく効果的だと思います。

圧倒的な孤独の中に言葉を探し続ける姿勢が個人的に、とても響きました。