また会って風のラブ
巣々木盥
また会って風のラブ
ごうごうと吹かれて飛んで、ある高さから透けて、夕凪のひとつの気球
モバイルゲームのギルドが消えた夏の日の汗で眩んでゆく白花火
川べりの速さを出した自転車が静かなものにするラブホテル
ファブリーズという器に張りつめた毎夏繰り返される号泣
なんか金星まで来てこれかあごめんなあ耳を冷蔵庫にあてている
職無しだった先輩と船の階段で愛、だって、会う、だって、と言いながら
折りたたみ日傘ひろげてそのかげに泣いていたあのときもわたしです
風のラブホテルの窓をすこし開けた吹くことである風の吹くこと
デトロイトビカムヒューマン日本の川べりにアンドロイド来るかなあ
風をうける帆船のようにこれまでを吸い込んで会うこれからのすべて
また会って風のラブ 巣々木盥 @Tarai_i
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