地面に対し垂直に落ちていく

栗原馴

地面に対し垂直に落ちていく

とびきりの服で四条河原町がひかる いつでもひかりは落ちる


まだふくらんでサイダーのPET どこかへ駆け出したくてしかたなかった


ストローをおおげさに刺し手渡せばそれは灯台のメタファーとして


グラスの底に沈むレモンの切り口が死戦期呼吸のように泡立つ


高架下で冠にしていた花の赤がいまさら悪さをしてる


唇が剥けて血の味 それぞれの愛にそれぞれの終わりがある


投げ出せば地面に対し垂直に落ちていく僕のブリキの兵士


死後はまだ想像しないif きみのチークはすこし色褪せていて


ペイズリー柄のクロスがはためいて雨 ちょん切ったタグを拾った


ちゃんと知ってちゃんと嫌いになったからきっと立派な呪いになるよ

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地面に対し垂直に落ちていく 栗原馴 @kuri_jun

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