3章『私のご友人がお世話になっているそ〜〜ですね?』

1話「墓場にいない死体に御機嫌よう(1)」

ほかほかとした室内で、隣にいる誕生日と2人で床に寝転がる。

「あったかぁ〜……。」

「へへ……。」

2人、向き合う。

俺は誕生日の髪を指に通してもう片方の指で頬を撫でた。

「んん……くすぐったい…………。」

彼は目を細め、そう言いつつもゆるりと受け入れている。

その様子が愛おしくて両の指を離して頭を撫でた。

「ん……も〜……。」

「へへ……可愛い。」

「ん〜……あんまり嬉しくない…………。かっこいいが良い……。」

「え〜〜?誕生日は可愛いが似合うんだけど……。」

「……そっか。」

俺はそんな事は気にせずに彼の頬に両手を添えて手の平でにょもにょと撫でる。

「ん゙ゃ゙〜〜!!ゃ゙〜〜…………!!!!」

「へへへ。やっぱり可愛い〜〜。」

「ゔ〜〜………………。」





あれから数時間が経ち、彼は眠ってしまった。ので、ソファに寝かせてふわふわの毛布を掛けてやる。

(…………可愛い。)

頭を少しだけ撫でた。



彼が眠っているうちに晩飯を作る。

今日はどうしようか。作りやすいたまごスープでいいか。なんて思いながら野菜を切る。

とことことこと包丁がまな板に叩きつけられる音を聴きながら料理をする。


ぐつぐつと音を出している鍋の中を器具でかき回す。……このくらいなら蓋をして野菜を炒めていいだろう。

という事で弱火にしていたのを中火にしてそのまま炒める。




少しして、たまごスープも野菜炒めも作り終えた。パンを袋から数個程取り出した。

それをお皿によそってテーブルに運んだ。カトラリーもテーブルに運んだ。

じゃあ、彼を起こすとしようか。



ソファに近付き、頭を揺らさないよう気を遣いながら身体を揺らす。

「起きて、起きて。」

「ご飯できたよ。」

「にんじん入れたよ。だから起きて。」

「可愛いね、大好きだよ。」

「んぅ……んん…………。」

「…………なに……?」

彼は目を擦りながら身体を起こした。

「ご飯出来た。」

「できた…………???」

「うん。」

「んん……わかった…………ごはんたべる……。」

(あ〜〜〜〜可愛い〜〜…………。)

(寝起きでぽわぽわしてるところも頬がもちもちしてるところもとことこ音を立てて歩くところも能力を使ってるかっこいい姿も全部好き……。好きすぎて可愛い…………。)

(幼馴染でよかった…………すっごく可愛い姿を見守れてよかった……。)

「…………意識おきた。だからご飯たべよ。」

「うん、食べよっか。」

(好き可愛いもう愛してる。)

2人でテーブルへと向かう。そしてお互いが向き合う形でイスに座った。

「えへ……。」

「んん……。」






食べ終わり、皿を洗う。

「んへへ……美味しかった…………。」

「そう?ありがと。」

「………………そういえば、模索ってなんか用事入ってなかった?」

「入ってるよ。」

「ちょっと休んだら行ってくる。」

「ん、わかった。」

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