おお、わしじゃあ。

一筆書き推敲無し太郎

第1話

おお、わしじゃあ。今日も今日とて早起きさんなんだがな、今朝はよく晴れてていいのう。それでな、我が家にはプレハブっちゅうのがあってな、そこにはばあさんが洗濯物を干してくれるところでな、わしが若いときに作ったんじゃ。そこでな、そこでおっきな音がしたんじゃ。まるで銃声のようで、ド〜ンってな。鈍く音が響くからわしゃあびっくりしてしまってな、わしも声が出てしまっての。朝から騒ぐんじゃないよってばあさんに怒られたんじゃ。晴れてたからプレハブが呼吸した音かと思ったんじゃが、それにしては大きな音でな、心配で見に行ったんじゃ。庭にあるからビーサンを履いてわしの杖を持ってきてな、プレハブを眺めたんじゃ。そしたらのう、黒いなにかが乗ってたんじゃ。よもやと思ってな、杖でつつこうかと悩んだんじゃ。でもな、またばあさんに叱られるのは勘弁と思ってな、それはやめたんじゃ。そしてな、わしは2階からなら黒いなにかを見られると思ってな、朝から家中を歩かされたんじゃ。今日も今日とてのんびりと日光浴してるもんだと思ってたんじゃがあまりにも大きな音で気になったんじゃ。まるで探偵じゃ。真実はプレハブの上にありけり、そう思ってな、ちょっとニヤニヤしてたんじゃ。2階に登るとな、雨戸があってな、朝から重労働じゃ。孫娘のとこにある自動シャッターっての、今から着けられんかのうと思いながらガラガラと開けたんじゃ。プレハブに目をやるとな、黒いなにかがプレハブの下に落ちたのを見たんじゃ。やっぱり音が大きかったかのう、ご近所さんのアラームより早かったかもしれん、すまんかった。もう、わしは黒いなにかに夢中でな、また1階に降りたんじゃ、健康になるわい。プレハブの足元を見るとな、なにもないんじゃ。あれはなんじゃったのか、プレハブの老朽化にしてはハッキリと黒いなにかが落ちた気がしたんじゃがのう。わしはもう疲れての、真相をあばくのは諦めたんじゃ。ちょっと気になるけど、ばあさんは気のせいとなだめてくれるからまあ、もういいんじゃ。

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