第3話


YouTube開いていない!!

凄いぞ自分。他のことに目を向けることは

やっぱり大事なことなんだ。


今頃しょーもない非現実的な空間でアホなやり取りして楽しくて遊んでますアピールだよな?


まー君ができる唯一のあらがいだからね。






さてわたしが犬になってしまってからというもの、あいつは調子に乗っていたなー。



やつはある時わたしがまた馬鹿にしているとかで激昂した時があった。

激昂させた内容は正直わたしからしたら大したないことだけどあいつは怒りに身を任せ、

今からわたしの住んでる場所に行くと言い出したのだ。


あ、ちなみにわたしは奴のことを信用していないのでもちろん架空の住所を昔教えたことがあった。

誰も住んでいない住所。

あいつの性格的にすぐ調べるようなやつではないことを分かっていたので、いつ聞かれてもいいようにあらかじめ考えておいた住所があった。


そう、夜中にその住所に向けて車で行くと言い出したのだ。

正直この手のタイプの男は確かに本当に向かいそうではあるため半信半疑の中、あたかも本当の住所であるかのように、来ないで欲しい、わたしが悪かったと謝った。


すると、


『今からでるからな!

失うものがないやつの怖さを思い知らせてやる』


そう言い放って電話を切ったのだ。


さすがに初めての出来事でもあったのでわたしは一瞬戸惑った。この今の状況をどうするべきか。



そこで思ったのが、まずこいつの性格は



・生まれてからほぼ地元から出たことのないびびりなやつである

・いい年していまだに実家暮らしである

・一度も一人暮らしをした事がない

・普段から出不精で、行動力に欠けている



こんな人間が急に思い立って10時間くらいかかる道のりを車で走らせて来れるのか?

その疑問が生まれ、冷静になった。


そこでわたしはまず奴に電話をかけ直した。



まー出ない。

予想通りである。

もう一度、さらにもう一度、、

かけるも出ない。



これは走っているから出ないんではなく、

いまだに家にいて出たふりをしているとわたしは考えた。



更にかけ続け、ようやくでたのは7回目くらいだっただろうか。



『もしもし』



低めの少しイラッとした声で出たのだ。



わたしはこいつの話す言葉を聞くのではなく、

背景の音に耳を澄ませた。



すると普段なら停車していても聞こえるはずの多少のエンジン音、他車の音や外の何かしらの音が全く聞こえないのだ。


わたしが予想するに、恐らく車には乗ったが単に乗っただけで車内で話しているだけ、もしくは部屋すら出ていないのではないかと考えた。



ただわたしが今それを言うのは相手を逆撫でするだけの行為となるから、あくまでもわたしはやつの様子を見ながら丁寧に対応した。



すると、



『今30分くらい走らせたけど、今回は許してやるよ。次同じようなことになったらその時は行くからな。』


そう言い、本人いわく家に戻ったそうだ。



恐らく向かってはいないと思うが、

仮に10時間という距離がある内のたったの30分の距離で断念とは、どうにも根性のない話でもある、、、。


要するにはったりをいう男でもあるんだな、

とわたしはその時に思った。



なんとも馬鹿げたやり取りだった。


深夜の話で確か午前2時半とかだった覚えがある。



そして何かあるたびにこの男への評価は下がっていく一方だった。



わたしの支えや安らぎとなるような存在にはなり得ない男だ。



好きだと思っていた気持ちも

いつしか、どうこの人とうまく終わりにできるだろうかとそんなことを毎日考えるようになっていった。





あー今日は最近では珍しく良い眠気がきている、、!

目が覚めてしまわないうちに

このまま寝ようと思う。




続く





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