誓いと誓い
すぐに駆けつけると病室のベッドで横になっている菜乃香と椅子に座って様子を伺っている祖母がいた。
「おばあちゃん、何があったの?」
「菜乃香が川に飛び込んだんだよ。それもこの天気の中でね」
この日は大雨警報が出ていた。そんな中川に飛び込むなんてっ、
「なんでそんなこと、、」
「そんなのお姉ちゃんに迷惑かけたくなかったからに決まってるでしょ」
目覚めた菜乃香にそう言われた。
祖母が菜乃香を支えながら、菜乃香は起き上がってこっちを向いてきた。
「迷惑?かかったことなんかないね」
「嘘つき、お父さんのこともお母さんのことも内緒にして、1人で戦ってきたくせにっ!」
「そんなの、当たり前じゃない、菜乃香を巻き込んだりなんか出来ないよ」
「なんでそんな事言うの!私たち家族でしょ!姉妹じゃない!そんなに私を信用出来ないの?」
「家族だから、大切な妹だから傷付いてほしくないの!私を頼って、愛してくれた、たった1人の家族だから、失いたくないの」
「なんで大切な家族にお姉ちゃんが入ってないの!?私嫌だよ。もっと自分を大切にしてよ。もっと頼ってよ、、」
そこまで言うと菜乃香は泣いてしまった。
菜乃香は幼いなりに考えていたらしい。
その後私と菜乃香はお互いに誓い合った。
私からは、二度とこんな真似はしないこと。
菜乃香からは、もっと自分を大切にすること。
それが今から2年前、私が中学2年生。菜乃香が小学5年生の頃の話だった。
ごめんね。菜乃香。
お姉ちゃんその誓いを果たせないや。
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