第2話 赤い炎

翌日の12時


「おはようございます。」


「…!ニグリス!もう大丈夫なの…?」


「はい、大丈夫ですよ。昨晩はご迷惑をおかけしました。休んでたら頭がスッキリしたのでお気になさらず。」



ニグリスはほほ笑みながらいつも通りに振る舞っていた。その言葉をルナは信じた。

すると騎士団長のアルヴァンがやってきた。


「ニグリス、昨日はお疲れ様。」


「団長、そちらこそお疲れ様です。昨日まで出張でしたよね。そちらは大丈夫でしたか?」


「ああ、それに関してはもう終わったから安心していいよ。

…今さっき、ローベルの様子を見てきたんだ。やっぱり、目は覚まさなかったよ。」


「……そうですか」


「君は怪我をしてたりは?」


「かすり傷程度なので大丈夫です。心配ありがとうございます。」


「そっか、よかった。

……君のバディが戻ってくるまで時間がかかると思う。こちらとしては君1人で十分だとは思うんだけど、念の為やっぱりバディを組んだほうがいいと思ってね、紹介するよ」


「こんにちはッス先輩!ハインズと言います!槍使いで魔法はまだ練習中ッス!」


「ハインズ君、ですか。ちなみに魔法はどのような?」


「氷魔法ッス!

でもまだ範囲絞るとかどのくらいの容量でやればいいかとかよくわかんなくて…まあ魔法が

完成するまで待っててくださいッス!」


「わかりました、期待してますね。」


「ということで、ハインズは騎士になってまだ

2年もたってないから色々頼んでもいいかな?」


「はい、全然大丈夫ですよ。」


「君がそう言ってくれて嬉しいよ。

じゃあとりあえず、西の方の巡回を頼んでもいいかい?」


「わかりました。準備してきます。」


ニグリスが自室に戻っていった。


「…ルナ、ニグリスの様子はどうだった?俺の前だと我慢する子とかいるから念の為聞いておくよ」


「いえ……無理してる感じもあまりなかったです。でも…目の下にクマが出来てました。」


「…そっか、まあ眠れていなくても不自然ではないだろうね。これは急に仕事を振った俺のせいでもある。ルナにも色々迷惑かもしれないけどニグリスを見ててあげてね。君しか頼れない。ニグリスを一番見てるのは、誰でもないルナなんだから」


「あっ………はい…」


ルナは少し顔を赤らめた。


「え、まさかルナさんってそういう……?」


「黙ってお願いだから…!」


「ふっふ〜ん??了解ッス〜!」


「あなたも例外じゃないのよ!ニグリスのバディとして見守っててね!」


「それはもちろんッス!バディとしてちゃんとするッスよ!」



ニグリスの準備が終わり街に出て巡回を始めた。

ハインズは話すことが好きらしく、色々ニグリスと話していた。


「先輩は炎の騎士なんスよね?俺実際見てみたいんスけど…だめッスか?」


「…必要があればいずれ見る機会はあるはずです。まあ見ないほうが街のためにはいいんですがね。」


「それはそうッスけど〜

そうだ!このあと飯屋行かないッスか?親睦深めましょうよ〜」


「…確かこっち方向に食堂があるからそこに行きましょうか。」


「やったッス!」



すると裏路地の方から女性の助けてという声が聞こえた。


「今の、聞こえましたか?」


「はいッス…」


「…遠目からだと正確な人数がわからないですね。」


「…3人の野郎どもがか弱そうな女の子を連れてってるッス」


「…視力いいんですね。」


「はいッス!視力と足の速さは自慢ッス!」


「3人か…相手は武器など持っていますか?」


「見たところなさそうッスけど…もしかしたらナイフとか持ってても不思議じゃないッス」


「わかりました。

ではナイフと槍は相性が悪いのでこの短剣を渡します。僕の予備なので後で返してくださいね。

僕は女性を救いつつ相手をするのは2人が限界です。1人を任せても大丈夫ですか?」


「…はいッス!」


するとニグリスは女性を抱え救助しつつ、赤い炎を使いながら2人をなぎ倒した。そしてすかさずハインズも応戦し、1人を気絶させた。



「お怪我はありませんか?」


「はい…ありがとうございました…!」


「すごいッス先輩!流石ッス!!

かっこいい…惚れ惚れッス!!!

あ、この短剣返すッスね」


「ありがとうございます。本当に足が速いですね」


「えっへへへ…なんとか初任務クリアッスね!」


「そうですね、では食堂に向かいましょうか。任務を無事終えられたので僕が奢ります」


「はいッス!ありがとうッス!!」

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